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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: メランコリーハート / ( No.123 )
- 日時: 2011/03/10 18:54
- 名前: ゆえ ◆05YJ7RQwpM (ID: mNUslh/H)
卒業式です。
眠いです。
そんな朝でした。
「よお」
朝、ガチャンと家のドアを閉めると、幼馴染の達志が立っていた。
私は「おはよう」と言った。
何年ぶりだろう、こうやって朝一緒に行くのは。
小学校の時は仲がよく、いつも一緒に朝登校してたのに。
そんな事を想いながらも会話はなくただただ歩くだけだった。
達志と私は高校は違う、彼は近くにある公立高校、私は少し遠い女子高。お互い違う道だった。
私は達志の事が好きだ、でもこの想いはずっと隠してきた。
達志と私はそんな関係にはなれないから。
「……なあ、真帆」
「何……?」
「今までありがとう」
白い息混じりに出た言葉に泣きそうになった。
今までありがとう? なんで、今まで……。
「達……志……!」
声がかすれた、のどが冷たい。耳も冷たい、でも頬は熱い。
「今までありがとう、でも!」
だめだいえない、もうすぐ学校に着いちゃう、泣きそう。
グッとのどに力を入れた、行け、私!
「これからもよろしく!」
私の声が響く、達志は私の顔を見てびっくりしながら、クスリと笑った。
「ああ、これからもだな」
「うん!」
これからも、よろしくね。
( 卒業式の朝 )
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