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Re: メランコリーハート / ( No.125 )
日時: 2011/03/22 18:27
名前: まち ◆05YJ7RQwpM (ID: GIL4ukBr)




ついにやってしまった。
まさか、後輩に恋をするとは……。

私と同じバスケ部で、背が高く、先輩顔負けのうまさを誇っている安田君に恋をしてしまったのだ。

私はバスケ部の部長だ。
私の学校は県大会常連校などとまあまあバスケの強い学校で、そのバスケ部ぼ部長となればやはり誰よりもうまく、誰よりも努力をしなくちゃいけない。
だから私は、毎朝早く来て練習をしていた。
私が練習をしていると、体育館の重い扉が変な音を立てて開いた。私がそっちのほうに目を向けると安田君が立っていた。

「……あ、穂波先輩」
私を見つけるといちようペコリとお辞儀をした。
「おはとう、安田君」
そう言うと、安田君の頬が赤くなった気がしたのは……まあ気のせいだろう。
「毎朝、きてるのですか?」
「え、ああ。うん。私下手だから」
私がそういうと、安田君は「何、言ってんすか」と言った。
「えっ?」
安田君がボールを持って、ゴールを見ながら言った。
「先輩は、誰よりも部活をがんばってると思います。
 部長ってチームをまとめたり、チームみんなの健康状態とか把握しなきゃいけないんですよね。
 そういう気持ちのケアとかもやったり、こうやって誰よりもがんばって練習したり。
 先輩はすごいですよ、僕も先輩みたいな部長になりたいです」
 
私は目から少しだけ涙がこぼれていた。
「安田君……ありがとう」
「なんで、お礼なんて言うんですか。俺がそう思っただけですよ」
「……ううん。ありがとうね」


安田君は少し照れくさそうな顔をして、もっていたボールをゴールに向かって投げた。



「安田君、好きだよ」

ポソリとつぶやいた言葉はきっと安田君には聞こえない。
まだいいかな、もう少し、そうだな引退すときにでも、想いを伝えよう。

バスケ部の大好きな後輩に。


( バスケット部の後輩 )