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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: きらきら / ( No.13 )
- 日時: 2010/06/06 18:31
- 名前: ゆえ ◆Uq76JXuqdU (ID: nE04Zw/f)
確かその日はものすごく暑い日だったと思う。
夏の大会も終わり、各部が世代交代をした後で、私は美術部の部長となった。
次の作品展までは時間があるので、今日の部活は私一人で部室の整理をしていた。まあ部室は美術準備室なのだが。
やっぱしその部屋は埃っぽくて、でも大きな窓があって。私はこの場所が大好きだ。
この学校の美術室は一階の校舎の隅っこにある。美術準備室の窓からは野球部の部室と水のみ場がある。
その窓から見える景色はものすごく特別なもので。
ほうらまた胸が鳴り出した、ゆっくりと。どきどきと。
やらなきゃいけない仕事とかたくさんあるのに、でもこの一秒を見なきゃいけないような気がして。
大きく振りかぶって、まっすぐなストレート、キャッチのミットにパンッっていう軽快な音がして。それで、それで額の汗を腕でぬぐって、はにかむの。
その瞬間が大好きで、でもすごいねなんていえなくて見ているだけで十分なのかもしれない。
キュンと胸が苦しくなる、それはもう憧れじゃなくて恋であって。
「……好きです、」
美術準備室に消えた小さな言葉。
( それは魔法 )
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