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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: きらきら * ( No.50 )
- 日時: 2010/07/16 18:49
- 名前: ゆえ ◆05YJ7RQwpM (ID: xixMbLNT)
彼女とケンカをした、たいした理由ではないからここはあえて理由をスルーしようと思う。
「藍子の馬鹿、俺は悪くない……」と無駄に意地を張っていても、目の前に彼女は居なくただ両手には押さえきれないくらいの青空が広がっていた。
なんで俺あんな事言ったんだろうといまさらながら後悔をしてもまったくと言っていいほど意味は無く、俺はぼうっと空を眺めていた。眺めていても何も状況は変わらないのに。
「ごめんって何で言えないんだろ……」
俺が全部悪いんだよ、そう開き直ると俺は走り出していた。ものすごく暑いひで首から伝う汗が不愉快だけどそんなの関係ない、今は藍子に言わなきゃいけないことがるんだ。階段を駆け上がって、窓から生ぬるい風が吹き込んでくる廊下を駆けて、もうだめだっていうぐらい走って、藍子は階段の隅っこで顔を伏せて座っていた。
「……順君?」
藍子が顔を上げる、俺は肩で息をしながら藍子の手をぐいって引っ張って藍子にだきついた。
ごめん汗臭い、とか言おうと思ったのにそれよりも先に、「好きだ」と出た。
「馬鹿じゃないの、まずはごめんでしょ? 順君、ごめんね。私もだよ、好きだよ」
もうそんなこと言われたら俺は何も言えないじゃないか、窓からはさわやかな風が吹き込んでいる午後の昼過ぎの話だった。
( まいすいーとはにー )
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