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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: きらきら * ( No.52 )
- 日時: 2010/07/17 09:04
- 名前: ゆえ ◆05YJ7RQwpM (ID: xixMbLNT)
きっと私は君にひとめぼれをしたのだろう。
君を見たときに、手が伸びていてぐっっと君の制服のすそを握っていた。
「……どうしましたか?」
と初対面なもんだから君は敬語で、私なんてなんですそを掴んだかも分からないから私は、
「すっ……すみません! あの、ゴミが付いてて……急にすみません!」
私は何回すみませんを言ったんだろうかと考えている余裕も無く、慌てていると君は屈託の無い笑顔を見せて、「ありがと」と言ってくれたのはものすごくうれしかったのは秘密の話。
それから少したって、君は別に目立つような存在じゃないけど黒ぶちのメガネからのぞく真っ黒の瞳が夜空みたいでとっても綺麗だったり、手がものすごく綺麗な形をしいて、君は図書委員で本を整理しているときとか、もうなんとも言えないくらいかっこよくって。
もう七月になり、私はクーラーのきいている図書館で勉強をしていると、前に君が座った。
私が心の中で「えっ、えっ」とかしていると君が、顔を真っ赤にしていた。
「……えっ?」
と私が言葉をこぼすと彼はまっすぐと私を見て。
「ひとめぼれをしたのです」
「……えっ……と、誰にですか?」
彼は少しだけ俯いて、また顔を上げて笑った。
「春に、制服のすそを引っ張った人にです」
とろけてしまいそうなくらい暑いのは、たぶん彼の言葉にとろけてしまう私の体が熱いのだろう。
( ひとめぼれ )
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