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- Re: 憂鬱week! / ( No.61 )
- 日時: 2010/07/24 12:42
- 名前: ゆえ ◆05YJ7RQwpM (ID: xixMbLNT)
「私はものすごく年をとってしまったのだろうね」
おばあちゃんはそうつぶやいた。
私が七つか八つのころにおばあちゃんは話をしてくれた。
「おばあちゃんにはね、今は居ないけど大好きな人が居てねえ……」
おばあちゃんは日向でいすに深く座りながらしゃべってくれた。おばあちゃんの部屋には大きな化粧台があったり、大きなたんすがあったり、特に遊ぶものは無いんだけど、行くとおばあちゃんが話しをしてくれるのが大好きだった。
「そうなの? なんでその人と結婚をしなかったの?」
私がそう訪ねるとおばあちゃんは深く目を閉じて「そうだねえ……」と笑った。
「あのね、結婚したかったのだけどね、しちゃだめったの」
「どうして? 何で一番好きな人と結婚をしちゃいけないの?」
「私には相手が決まってたんだよ、それが今のおじいちゃん。好きだった人に結婚をしてくれと言われたけどね、私はそれを断るしかなかったんだよ。私にはおじいちゃんが居て、おじいちゃんが私を永遠に幸せにしてくれるっていったもんだから……一番好きな人を選ぶことは大事だけど、でもね、真弓ちゃん一番幸せにしてくれる人と結婚をしなさい」
おばあちゃんがにっこりと笑ってそう言った。
「おばあちゃんは、おじいちゃんと結婚をして幸せだった?」
「……もちろんだよ、ものすごく幸せだったよ。もうおじいちゃんはいないけど、私はものすごく幸せだったよ、真弓ちゃんや真弓ちゃんのお母さんやいろんな人が産まれて、私とお話をしてくれる。ものすごく幸せだったよ、おじいちゃんが私を幸せしてくれたんだよ……」
「一番好きな人と結婚をしたら幸せだった?」
私がたずねるとおばあちゃんは私の頭をなでた。
「それはどうだろうねえ……結婚をしてみなきゃ分からないからね……でも多分今以上の幸せを手に入れることは難しいじゃないかねえ……」
おばちゃんはにっこりと笑って、私に別のお話をしてくれた。
( 昔話 )