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　友達の彼氏を好きになってしまいました。
　
　これは罪なのでしょうか？
　いや、でも罪でも何でもないんだよね。だって、好きっていう気持ちは人間に平等に与えられたものだから。
　友達が彼氏の話を楽しそうにする、私は相槌を打つ、ああいいなあと思いながら。
　ずるいなあ、ずるいよ、私も隣に居たい。でもその彼氏は私の事なんかどうでもいいんだろうね。
　だって、友達と彼氏は両思いで、私がいつも手伝っていた、それがどれほど辛いことか。

　「好きな子がいるんだ」
　彼がそう切り出した。私はえっ？　と問う。私の事かもしれないという意味のわからない期待をして、でも現実は私の恋心よりも罪深かった。
　「……お前の友達の安西さん……」
　彼がうつむきながら愛しくいう。
　泣きたくなった。
　喚きたくなった。
　苦しくなった。

　「……そっか」
　私は苦しい笑顔を見せた。何にも辛くはないんだ、ただ、ただ彼は友達が好きなだけ。
　——それだけなはずなのに。

　私は今でも彼が好きです。
　その罪をぬぐうことはできずに、罪な恋心を持ち続けます。

　(　罪悪感と比例する恋心　)