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- Re: 神より生まれし花 質問・リク受け付けてます! ( No.104 )
- 日時: 2011/09/25 23:31
- 名前: フレイア ◆7a0DWnSAWk (ID: UNL2z9Yl)
—続きから。
俺たちは、一刻も早くミトさんに水の結界石を届けるために町に着いてからずっと走り続けていた。
俺が結界石を持ち、フウイ・雪が中心となって道を開いていく。
ヒナは援護役ってところか。
「ウィンディア・ショット!『荒れ狂う風の渦』!!」
「ホ—リィ・フレア!!」
風の弾丸が闇禍を打ち負かし、白い炎ともいえる光は俺たちの進む道を示しているようだ。
「広場までもうちょっとよね!?」
「もうすぐだ。」
フウイが答えると同時に、俺たちはようやく噴水のある広場まで到着した。
そこにいたのは、ユウカさんと、何人か負傷している魔法師の人たちだった。
「あ!あんたたちやっと来たわね!!よかった…。」
ユウカさんは右腕と足に怪我をしている。
しかし、大きな怪我をしているわけではなさそうだ。
「ユウカさん、ミトさんは何処に?」
フウイが聞くと、ユウカさんは奥の方を指した。
「あんたたちと反対側の入り口で、音の結界を張ったんだ。」
「音の結界?」
俺は聞き返す。音で結界なんて出来るのだろうか?
「ほら、微かに聞こえるだろ。歌が。」
言われてみれば、ミトさんの声が聞こえる。
ゆっくりと、紡がれる旋律…
それはまるで、町全体を覆うような…優しい歌だ。
「…けど、あまり長く持たない。早くミトのところに。」
ユウカさんは俺たちを促し、自分は、怪我をしている魔法師のところに向かった。
「ミトさん!!」
ミトさんは、かなり疲れた顔で歌い続けていた。
ユウカさんが促した訳が分かった。
「…っ、あ、来たわね…。」
かすれた声で返事をするミトさん。
「だ、大丈夫ですか!?声が…。」
「私はいいわ。早く、結界石を。」
ヒナは心配そうにミトさんを見つめる。
俺は持っていた結界石を渡した。
一瞬、結界石が光ったのは気のせいだったのか?
「…ちょっと黒くなってるわ。浄化しなきゃ。」
ミトは俺の方に向かって手招きする。
「…へ?俺ですか?」
「あんた以外に、主属性が水で健全な奴はいないのよ。ほら、早く。」
俺は言われたとおりに結界石の前に立つ。
「石に触って、魔力を注いで。それだけよ。」
「は、はい。」
結界石に触ろうとした瞬間、音の結界を破ってきた闇禍が襲いかかった。
目の前…!!!
「しまっ……!」
「…!」
「アクセント・ルーチェル『流れ星』!!」
「コウセ!?」
闇禍はコウセの魔法に吹き飛ばされた。
「無事…皆?」
「コウセ、もういいの?」
ヒナが不安げな顔で見るが、コウセは笑顔で答えた。
「平気。ヒナシ達が広場に向かうの、見えた。私も、参戦。」
「…分かったわ!!」
—続きます。