コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 神より生まれし花 ‐真実は何処に…‐ 小さいお知らせあり。 ( No.118 )
- 日時: 2011/11/26 14:02
- 名前: フレイア ◆7a0DWnSAWk (ID: LqhJqVk8)
<第15話:暗闇の死闘の始まり>
—異空間
私は辺りを見渡した。
どこまでも続く暗闇……
「うけけけ!驚いたろ?
邪月さまが直々に作った、黒水晶だ。」
なるほど、ヒナシくらいの年齢と思しきチビガキ……いや、ヨキが取り出したのは、対象となる人物と自分を異空間に飛ばす代物らしい。
異様な雰囲気が辺りから感じる。
禍々しく、重々しいような空気だ。
「それで、私をどうするつもりだ?
……いいや、正確には、『何をどうしたかったんだ』?」
コウガ達と任務の話をしている最中、棚からヨキの気配は感じていた。
しかし、その気配は、闇禍が放つような殺気というものではなかった。
私の推測が正しければ……
ヨキは、邪月からこのルメルの結界石である『虹の結界石』について調べてこいとか言われていたか……
シーロントの一件もある。
「ん……あれれ?なんで分かったの?」
素っ頓狂な顔をして聞き返してくる。
「……まず、お前の気配からして、殺気はなく、むしろ観察していた。
何かの指示を待っていたのか?」
質問に質問を返すような形になってしまったが、ヨキの本心を聞く必要がある。
運が良ければ改心させてやりたい……という気持ちもあるがな。
「指示……まあそんなとこだな、うけけけ!」
「その指示とは、なんだ?」
「……うーん、ま、言ってもいっか。
指示があったら、お前を殺せーって言われてたんだ!」
「……っ!?」
予想した答えと違う。
それに、普通なら、すぐに殺しに来るだろう。
なぜ、時期を置く必要がある……?
「……あー退屈ー!早く戦おうよーエンランー!!ばれたときも殺せって言われてるんだからさー。」
……私の名前は知られていたか。まぁ、予想はしていた。
が、戦う気はない。
「お前、魔法を媒介する武器もないのにどうやって戦うんだ?
それに、私はお前みたいなガキに本気を出さない。けがしないうちに邪月のもとに帰るか、この異空間を解いて、おとなしくしてろ。」
「武器がない?ボク相手に本気を出さない?邪月様のところに戻るか敵陣でおとなしくする?
……うけけけけけっ!ボクは甘く見られてるんだな!
それに……聞いた通りだ。」
武器出さないとお前が死んじゃうよー、とヨキが言う。
余裕の笑みを浮かべ、両手を広げる。
「ださないの?ま、いいけど。今のうちに武器を出さなかったのを後悔させるよ、エンラン!」
すると、重々しい魔力の気配とともに地面からヒト型の幽霊が2、3体ほど出てきた。
……なんとも禍々しい闇だ。
闇魔法師にクオンがいたが、やはり、闇と暗黒は違う。
暗黒魔法は、自らを蝕む魔法だ。
そんな魔法は、あってはならない!!
ヨキはさらに、幽霊を使って私の手足を封じる策に出た。
「言い忘れてたけど、ボクの武器はこのローブ!
でもって、この技は『霊祭〜呪の騒乱〜』!!」
「それで?」
束縛したところで、動じるとでも思ったか。
そういうところは、ガキ。
「まだあるよ!『霊祭〜死の狂乱〜』……いけぇ!!」
「……なっ!!?」
すると……束縛していた幽霊が、
爆発した。