コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 神より生まれし花‐真実は何処に…‐ ( No.13 )
- 日時: 2011/04/23 22:23
- 名前: フレイア ◆7a0DWnSAWk (ID: HPru.2N2)
<第9話:新たな敵>
私はまた、ベットで寝ていた。
夢の中で、誰かが私を呼ぶ声がする…。
—…き…。…ゆ…き…。
「…だぁれ…?」
—…ゆき…。…来て…。……こっち……早く…。
「誰…?誰なの…?」
—雪…。…雪…。
「雪。」
「…?!」
目が覚めると、視界に入ってきたのはカイトさんじゃなかった。
「やっと、会えたよ。」
どこかで見たような青い髪。
そして、優しいまなざし。
ふと、過去の記憶がよみがえる。
自分を助けてくれていた。ずっと一緒に遊んでいた。
「…あなたは…もしかして…?」
「…。」
すると、バンッ!!と勢いよく扉が開いた。
「雪!!…!?」
カイトさんだった。
「カイトさん。」
「雪、今すぐそこから離れなさい!」
「…邪魔だ。…闇禍共、…消せ。」
「え…!や、やめて!!」
禍々しい物体…闇禍が床から数体ほど出てきた。
私はベットから出ようとしたが、体が動かない。
「しばらく、おとなしくするんだ。」
よく見たら、黒いものが体にまとわりついている。
「雪を放しなさい、闇禍を扱う者。」
カイトさんは、闇禍と操っている人を睨む。
「…そういう訳にはいかない。雪は、魔の神復活に必要だ。」
「なら、力ずくでいきます!!…『水よ、悪しき者たちを浄化せよ!』」
カイトさんの手から、細身の剣が出た。
「(…厄介なのは、闇禍が普通じゃないかもしれないということ。もし、能力があれば時間がかかってしまう。)…ウォーティル・ロンド!」
カイトさんの剣から次々に水の刃が生み出され、目に見えない速さで闇禍に打ち込んでいく。
1体だけ闇禍が消えた。
「ほう、なかなかの腕のようだな。」
「それはどうも。スプラッシュ!」
今度は風をまとった、水の槍。
闇禍に突き刺さる。
と、その時、闇禍の体がうっすら青くなった気がした。
この闇禍は、次のカイトさんの攻撃が効かないんじゃ…。
直感的にそう思った。
「ウォーティル・ストライク!!」
カイトさんの剣より一回り大きい、水の刃が放たれる。
そして、闇禍はそれを跳ね返す。
「!?」
「さぁ…どうする?魔法師よ。」
「…闇禍の能力…ですか。」
カイトさんはしまった、という顔で武器を構えている。
闇禍は、じりじりとカイトさんに近寄る。
あのままじゃ、カイトさんが…。
そう思った時だった。
「『炎よ、舞い踊れ!!』…フレイムストーム!!」
カイトさんの後ろから、紅色の炎が吹き荒れ、一瞬で闇禍を消し去った。
「…エンラン。」
「ったく、無茶はよしな。カイト。」
「カイト、大丈夫!?」
「あぁ、セイラ。ありがとう、助かったよ。」
「おぉ!カイトにエンランちゃんに、セイラちゃんやないですか!?」
「その声…まさか、徨命(コウメイ)?」
「そうですよん、カイト。…なんかえらいことになっとるなぁ。」
「エンラン、コウメイ。二人の力が必要です。どうか、力を貸してください。」
「言わんともそのつもりや。…あぁそうそう。怪我人魔法師のムエンに、フウイ、ヒナシ、コウセちゃんは別の部屋に放ったから♪」
「4人とも怪我…か。…さっさと終わらすぞ。」
「もちっ♪」
「そうですね。」
「…頑張って…。」
3人とも武器を構えた。