コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 神より生まれし花‐真実は何処に…‐ ( No.23 )
- 日時: 2010/09/06 17:46
- 名前: フレイア ◆7a0DWnSAWk (ID: DvB6/ADf)
—続き。
私たちは、吹き飛ばされた…と思ったんだけど…。
「え…ゆ、雪ちゃん!!」
「ヒールスクウェア…です。」
半透明の白い羽が背中にある雪ちゃん。
私たち4人は、透明な箱のようなものに覆われて全員無事だった。
「これ、雪ちゃんの魔法なの?」
「はい。この空間にいる限り、他者からの攻撃は受け付けませんけど…」
と、言った矢先に雪ちゃんが倒れちゃった!?
「雪ちゃん!?」
「魔力の消耗が激しくて…、ごめんなさい…。」
「雪の、せいじゃ、ない。」
「ありがとうございました、雪さん。」
「…ユウキ。」
「……コトヨ…さん?」
「あー、お母さん。もうよそうよ、ね?」
「…ハァ。仕方ないわね。止めたげる。みんなに怪我させるつもりなんて、毛頭なかったのに。」
「…それでなくとも周囲に迷惑が…痛いです痛いですコトヨさん!!!思いっきり耳を引っ張らないでください!」
とりあえず一件落着…なのかな。
「雪ちゃん、立てる?」
「はい…なんとか。」
私とコウセに支えられながら、立ちあがった雪ちゃん。
「お、見かけない子だけど…?」
「あ、あのね…。」
「待った。話はエンランから聞いてる。雪ちゃんでしょ?多分。」
「うんうん。さすが長官の元友人であるうちのお母さん!」
「魔法石の機能も上がったしねぇ…。あ!そうだ!!ヒナシ、コウセ。それに雪ちゃん。良かったらお昼食べていかない?」
「あ…ごめんねお母さん。お昼、もう食べたんだよ。」
「ありゃ、残念ねえ。ま、夕飯を楽しみに…。」
「夕飯は僕が作るよ。君の好きなもの。」
「本当!?うれしいわ!!」
「いえいえ。」
「…、喧嘩がいつの間にか、仲直り。」
「兄さんはね、こんな二人にいつもあきれちゃってるのよ…。ハハ…。」
「素敵なご夫婦ですね。」
「さ、用も済んだし。急いでミラクルパフェ食べにいこ!」
「早くしないと、限定50食、なくなる。」
「分かりました!!」
やっと、騒動が終わってパフェにありつけるわ…!
—そのころ、ムエン達は。
続いて、俺たちは薬屋へ。
…遠くから爆発音が聞こえたような…?
気のせいか。
「よっ!澪(ミオ)!!」
「おおっ!ツバメっち!」
「ムエンだっつってんだろうが。」
「矛に燕と書き、ムエン!でも、私はツバメって呼びたいのだ!」
ツインテールをした黒髪の少女。
名前はミオ。中級氷属性魔法師。しかも現役続行中だ。
「繁盛してるか?」
「アタシの副属性の水!あんたと同じってこと忘れてねぇか?商売繁盛!千客万来よ!…ま、繁盛するのはもうちょっと後になってからだけどね。」
「長官から頼まれていたものは…」
「おう!魔法石の通信機能でばっちり!」
魔法石は、ランクにかかわらず、電話系の通信、情報交換、あと、召喚機能…ってこれは精霊をつけてないと意味ないが。
ま、魔法師には欠かせない重要な役割も果たしてるんだ。
「えーっと、これとこれと、これとこれと…。よっし!お待ちどぉ〜!」
ミオは棚からなんかいっぱい持ってきたんだけど??!
「えっと、この葉っぱがヒイラギソウ。傷を癒してくれるの。1個で十分。黒くなったら月の光に当てて魔力補給。」
「へぇ、傷薬とかじゃないんだな。」
「最近、すぐ使える薬がほしいって、魔法師からの要求に答えたのよ。」
「…このブローチは?」
「…あぁ、それは夢状態防止のアクセ。あんたたち、ロシェストに行くんだろ?速攻で開発したから、あんまり期待できないけど…。」
「確かに。」
夢状態っていうのは、睡眠とは違う。
無理やり、術者に夢を見せられて、精神的なダメージを負わせる。
しかも、睡眠に似てるから、夢状態のときは無防備。
やばいったらないぜ。だから行きたくないんだよ!
「ま、ある程度は防げるから、これで何とかしなよ!」
「人事だなぁおい…。」
そんなわけで、ある程度アイテムの解説を受けた俺たちは、店を出ようとしたが…
「待て、ツバメ。ロシェストにはもう一つアイテムがいるんだ。夢の館の攻略に。」
「…は?」
「知らないのか?『溶けない氷で創られた氷鏡(ひょうきょう)』」
「なんだそれ?」
「それがないと行けないのか?」
「あぁ。でも、氷属性である私じゃ無理。溶けない氷を作るには、もっと強力な魔力の持つ人じゃないと。」
「…その人って?」
「…教えてもいいけどね、気をつけて。あの人は、男の人に裏切られた経験があって、男性と話さない主義だから。」
「そう…なのか?」
そんな人、初めて聞いたけど。
「名前は月夜(ツキヨ)さん。上級魔法師よ。」
…なんか、いやな予感がした。