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Re: 神より生まれし花‐真実は何処に…‐ ( No.25 )
日時: 2011/04/23 22:27
名前: フレイア ◆7a0DWnSAWk (ID: HPru.2N2)

<第14話:アイテム入手へ>

—その頃、長官室

「ハァッ、ハァッ…。こ、ここ…かな。」

灰色の髪に黒の目。
麦わら帽子で、袖と、丈の長い赤いパーカーを羽織り、裾に2本ずつ紐がついた紺色の七分丈ズボンを着ている。

彼女の名は、鈴玖(スズク)。

長官ことエンランから古文書の封印解除、及び解読を行い、完了したので長官室に来たのだ。

スズクは、主属性が風。副属性が無。
故に、魔力の無効化ができ、下級魔法師でありながらも、すごく役に立つ存在なのだ。

「え—っと…、どうしよ…。早くしないと怒られちゃうし、でもでも…。」

その時、扉が開いた。

「…ん?なんだ、スズクか。」

「えっ、えぇっと、えと、そ、その、はいっ!おそらくスズクです!!」

しどろもどろになって答えるスズク。

「……、で、どうなんだ?」

「は、はいっ。で、できましたです。」

おずおずと古文書を差し出す。

「早いな。明日まででもよいと、言ったはずだが…。体は大丈夫か?」

「え、と…///し、し、心配してくださり、ありがとうございました!では失礼しますっ!!!!」

足早に、スズクはその場から退散した。

「…まったく、恥ずかしがり屋なのも困ったもんだな。」

エンランは苦笑しつつ、古文書を持って再び部屋に入った。



「う、わ、失礼だったよ、絶対っ…。」

しばらく走って、ある程度のところまで来たスズクは、恥ずかしさと緊張のあまり、いまだに心臓がバクバクしている。

「あう…、魔法師の資格剥奪されちゃったらどうしよ…。」

資格を剥奪ということなど、ほぼ一生ないのだが。

「…っあ!」「っと。」

考え事をしていたため、誰かとぶつかった。

「気を付けなよ、下級のくせに。」

「ご、ご、ごめんなさい!って、誰でしたっけ?」

「…、僕は久遠。昨日もぶつかったと思うんだけど?」

「そうでしたっけ???」

「ハァ、もういい。とにかく。」

「?」

久遠という、上級闇魔法師はスズクの前に手を出した。

「さっき、誰かにお菓子の袋が盗まれた。いつも携帯してるのに。甘い物ないと生きていけない。」

「ええと、つ、つまり…。」

あせってパーカーのポケットの中を探る。

「…あ!『ラウンジ』のチョコレートがありました!」

「これで一応チャラだな。」

久遠は即座に頬張る。

「さすが、ラウンジのミルクチョコ。…じゃ。」

「は、はいです。…。…あれ?誰だったっけ?」

物忘れの激しいスズクであった。





—薬屋

「何でおれが、女装すんだ—————!!」

「仕方ないでしょ!他にいないの!」

俺は女装をさせられている。そうだ。女装だ。

「ミオが行きゃいいだろ!」

「私の任務じゃないもん。」

「くそっ…。」

ミオの私服に身を包み、かつら(?)でツインテールへ。

「大体、こんなもんかな。でも、顔でばれそうね。」

「ほらみろ!結局無駄じゃ…。」

「そうだな、ここはムエンの『フェイスメイク』で…。」

……、フウイ、お前もか。

「つーか、高度魔法だぞ、それ。俺じゃ無理。」

「上級魔法師か…。」

ミオも考え込む。

「…なら、カイトさんは?」

「あ!!良いねそれ!!」

「…あのー?マジッすか?」

「マジよマジ!んじゃ…」

「へ?…て何、この首輪は?」

「逃げないようにするための…、く・さ・り。」



「い—や—あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」




—続きます。