コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 神より生まれし花‐真実は何処に…‐ ( No.29 )
- 日時: 2010/12/14 16:47
- 名前: フレイア ◆7a0DWnSAWk (ID: vMaG66qM)
—続きから。
…とまあ、そんなこんなで医療舎へ。
「あ!カイトさーん!!」
「…おや、その声はミオですか?どうかしましたか?…ムエンにフウイも?」
「えっと、『フェイスメイク』かけてください!それも、ムエンに!!」
びしっと俺のほうに指を指すミオ。
「…っ、クスクスっ…。女装ですか。」
ああああ〜〜〜。父さんにこんな格好、見せられねぇってのに!!!
父さん…笑うなよ…。
「うぅ…。」
「すみませんね、ムエン。つい、過去のことを思い出してしまい…。」
「過去?」
「ええ。…それより、『フェイスメイク』でしたね。」
父さんは、武器を出し、俺の顔の前で呪文を唱える。
だ、大丈夫だよな…?変な顔になんか…。
「……、はい。出来ましたよ。」
「…おぉ!!」
「…なるほど。」
二人は絶賛中。
えっと、どんな顔なんだ?
「父さん、どんな顔なんだ?」
「…言ってもいいのですか?」
「言わなきゃ自覚ねぇし…。」
父さんは、一瞬だけ目をつむって、こう言った。
「…妻である、レンスイの昔の顔です。彼女は笑顔が魅力的でしたから。」
「!?」
「やはり、そうでしたか。」
フウイは納得、と言ったようにうなずく。
「母さんの顔かぁ。まぁ、いっか。」
母さんのこと、俺、あんまり覚えてないんだよなぁ。
きれいな人ってのは、覚えてたけど。
「さ、行きましょ!せっかくカイトさんがしてくれた顔だもの!!」
「…本気かよ!!」
「ムエン、女の子らしくするべきでは?」
「フウイ!?あーもう!やけ!」
「ぷぷっ、ツバメっちったら変〜〜。」
「誰のせいなのよ!!」
くそ!早く済ましてぇ〜よ。
—一方、とあるカフェ、『ラウンジ』では…
ドアにある鈴が印象的なこのお店!!
私やコウセが行きつけてる、パフェが最高の『ラウンジ』にとうちゃ—く!!!!
「こんにちは!!茜(アカネ)さん!!」
「お!その声は、ヒナシだな?」
カウンター越しに出てきた、メイド服のおねいさんは、ここの店長のアカネさんって言うの。
この人が作るお菓子って、すっっっごく美味しいんだから!!
「…ん?コウセもかい?」
「久しぶりに、来た。この子、雪、っていう名前。」
「は、初めまして、雪と言います。」
「初めまして。元中級、火属性魔法師のアカネよ。副属性が花って言うちょっと変わったやつでさ。」
「その属性のおかげですよね!!お菓子がおいしいの!!」
「くすっ、相変わらず元気だねぇ。パフェ、まだ残ってるよ。」
アカネさんは、微笑みながら私たちを見る。
もちろん、
「ミラクルパフェ、三つ!!」
「オッケー。三人分で最後、ね。」
「すごい、ぴったし。」
「いいんですか?」
「いーのいーの。雪ちゃんの分は私のおごり!コウセは自分で払ってよ。」
「いわれずとも。……あ。」
「どうしたの?」
「…、お財布、…家。」
「…。」「…あら。」「…えっと…。」
「でも食べたい。…ヒナシ、お願い。」
うるうるうる…ってちょっと!!
「ミラクルパフェは、一個400ルルだから、……1200ルル、私の給料分が…!!」
「あとで、返す。」
「あうううう、この後残りの400ルルで、雑誌買いたかったのにぃ!!」
「仕方ない、諦めることも肝心。」
「誰のせいよまったくもう!!」
「ハハハ。」「笑うな—っ!」
私はコウセを小突く。
コウセは受けつつも、ちょっぴり笑っている。
「はい、おまたせ。」
私たちは、そんなことがありながらも、つかの間の休憩を楽しみました。
—続きます。