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Re: 神より生まれし花 ‐真実は何処に…‐ ( No.30 )
日時: 2010/12/24 09:32
名前: フレイア ◆7a0DWnSAWk (ID: k5KQofO8)

—続きから。

そのころ、連盟所にある寮のとある一部屋にて。

一人の女性…容姿端麗、藍色のロングストレートの透き通るような髪。同じ藍色の瞳には鋭い瞳が光っている、この女性の名はツキヨ。

今丁度、任務を終えて帰ってきたのだが…


「…。断る。」

「え…っ!」

「ど、どうしてですか!?」

帰宅直後、同属性のミオと類似属性を持つツバメ(ムエン)が、突然訪問してきた。

「あ、あれがなければ、ツバメちゃんはロシェストを攻略できないんです!!お願いします!!ツキヨさん!!」

必死に頭を下げるミオ。
ツバメ…もとい、ムエンも同時に頭を下げる。

「…ツバメ。」

「え、あ、はい。」

「…中級なのに難易度の高い任務をするのか?」

「こ、今回はそうです。」

「…ふざけるな。長官は、普段の任務にリスクの高いことはしない。」

…確かにそうだろう。
長官であるエンランは、十年前とは違い、レベルに応じた任務を出すようにしているのだから。

「…だから、私は…男が嫌いなんだ。平気でうそをつく。」

「つ、ツキヨさん…!!まさか、知って…!?」

「ミオ、ちょっと待ってくれ。」

「え?」

ガタン、と音を立ててムエンは立ち上がる。

「…。」

「確かに俺は、あなたを騙しました。女装して、顔も女の子らしくしてもらいました。」

一人喋るムエンに、微動だにしないツキヨ。

「…、ツキヨさんが、男性を嫌っているとミオから聞きました。けど、俺には、いや、俺たちが強くなるために…護りたい人を護るために必要なんです!!」

「ツバメっち…もう、いいよ…!」

「…分かっててしているとは、言語道断だ。…帰れ。」

「な…!!!」

「…ごめんなさいっ…ツキヨさん…。」

「ちょ、ミオっ!!」

ミオは、ムエンを無理矢理部屋から引っ張り出した。







「…ごめんね、ツバメっち。まさかこんなことになるなんて…。」

「…ミオのせいじゃねぇよ。気にすんな。」

自力でフェイスメイクを解き、普段の服装に変えた俺は、少しため息をついた。

「けど、どうすりゃいいんだろうな。あれがないと…。」

「…よっしゃ!…まっかせなさいよ!中級だけどさ、頑張って私が、氷鏡を作ってやるよ!!」

「で、でもさ、難しいんだろ?」

「下級だと絶対無理だけど、中級だもん!なんとかなるなる!!」

「ミオ…お前…」

俺は、無理矢理笑顔を作って、活発に動くミオの言葉に甘えるわけにはいかなかった。

「だからさ、明日、店の前に来てね!じゃじゃーんって威張りながら…」

「…いいよ。ミオ。ありがとな。氷鏡のことは、もう…。」

「…ばっかじゃないの?」

「は?」

見ると、顔をくしゃくしゃにさせたミオが、俯きながら続けて言った。

「私は、あんたたちが無事でいてほしい。そのためには氷鏡が必要なの。氷鏡がなかったら、苦労するだけじゃ済まないのよ!!分かってんの!?死ぬことだってあるんだから!!」

泣いてはいないが、今にも泣きそうだ。

「だから、…薬屋の店長の言うこと聞け。ちょっと専門外の分野もあるけど、中央図書館で調べるから!」

「…ありがとう、ミオ。」

「どーいたしまして。んじゃ、またね!」

ケロッと明るくなったミオは、図書館の方に駆けて行った。

それを見届けた俺は、フウイと合流し、ヒナシとコウセと雪を探しに行った。