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Re: 神より生まれし花 参照300突破!まだまだオリキャラ募集!! ( No.59 )
日時: 2011/04/25 23:54
名前: フレイア ◆7a0DWnSAWk (ID: HPru.2N2)

—続きから。

「うぅ〜、何で俺まで……。」

「だ、大丈夫?ムエン君…。」

ムエンは、雪に回復魔法をかけてもらう。

「ルーセント・キュアルー。」

白く暖かい光がムエンを包みこむ。
ムエンの体には傷一つなくなった。

「お、すげ…。やっぱすげーよ!雪の魔法!!」

「ありがとう。」

「ゆ…雪ちゃ—ん、その魔法、ワイにも…」

コウメイが続けて頼もうとしたが、カイトが間に割って入る。

「そう言う訳にはいきませんよ、コウメイ。」

「なんやえらそーな言い方しよって。ワイは雪ちゃんに…「キュア・ウィル。『回復の泉』。」

水属性による回復魔法で勝手に治療をするカイトに、コウメイはいかにも不満そうな顔をする。

「ちぇ、勝手に回復しおって。」

「あなたが雪をどうにかしようとしたので、止めただけですが?」

「なんやと?」「なにか?」

バチバチバチ…と火花が散りそうなくらい二人はにらみ合う、といっても、カイトはにこやかだが。

「(10年前と変わらないな、あいつらも…。)」

エンランは昔の二人を思い出しつつ、変わらないことに苦笑いを浮かべていた。




「おっ!!いたいた!!おーい!」

ミオは、ムエン一行を見つけるとすぐに全力疾走。
あまりのスピードにムエンと、隣にいた雪を押し倒すほどだった。

「のわっ!?」「わ…!」

「わっとっとっと…。ごめんごめんツバメっち。一刻も早く渡そうとして、ブレーキかけるの遅くなっちゃった。」

「おいおい…。」

「んじゃ、これ!氷鏡。ちゃ−んと渡したからねっ!!」

「おうっ、サンキュー。」

「…気をつけてよね、ツバメっち。ロシェストは半端ないんだから。」

「あぁ、分かったって。つーかいい加減、ムエンって呼べよな。」

「んー、今回の任務が無事に終わったらね—!」

「なんだそりゃ。」

あははは…と笑うミオ。

「じゃ、またね。」

「おう。」

ミオはムエンと会話したのち、店があるのか、颯爽と去って行った。



「氷鏡は俺があずかろう。」

ミオから氷鏡を手に入れたことを、ムエンがフウイに話すとフウイは、少し考えてからそう言った。

「…?」

ムエンと雪は、そんなフウイの意図がつかめぬままだった。



「で、これからどうするんですか?長官。」

ムエンはこの旅について、少しでも多くの情報を得たいと思っていた。

…自分が強くなるために。

雪という存在を闇から守るために。

「あぁ、そのことだが、お前たちと戦ってほしい奴がいる。ちょうど今、風竜の町から帰ってきているんだ。」

「風竜の町…。名前が無いっていう街ね。」

「……、…イン…。」

「…コウセ?」

ヒナシは、コウセが怯えたような顔をしているのに気がついた。

「どうしたの、コウセ?」

みんなに聞こえないよう、小声でコウセに聞く。

「な、んでも、ない。ちょっと、昔の、こと…。」

「昔…って、コウセ…。」

コウセは、口をつぐんでしまった。
ヒナシは知っていた。

コウセのことを、少しだけ。


「で、やってくれるな?ライトニング=エクレール・ファロン、ミサゴ。」

ヒナシとコウセには気付かずにエンランは続ける。

ザッ…と草をかき分ける音がした方向から、女性が一人、ムエンと同じ年くらいの少女が一人、歩み出た。

—続きます。