コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: —A shine of light— ( No.12 )
- 日時: 2010/07/21 05:51
- 名前: むーみん (ID: 2.GeU6Nm)
いつの間にか、夜になっていた。
時計は9時をまわっている。
俺は真の家(神守神社)の門の前で、コンビニの袋を片手に提げながら立っていた。
「真ー! メロンパン買ってきましたっ」
「お前、これ中にクリーム入ってるやつじゃねぇか。僕はノーマルな外側パリパリで中しっとりのあれが食べたいの。クリーム入りなんてメロンパンと認めねぇぞ!」
「……知るかぁぁー!」
「大体なぁ、普通メロンパンって言われたら普通に一般的なあれ買ってくるだろ」
「はいはい、すいませんでした。いくぞ」
眠いだのメロンパンダの、ウダウダ言っている真を無理やり説得しながら住宅街を歩く。
真曰く、「あー、いっぱいいるなぁ。咲も気付くはずだよ。ほっといたらなんか起きるわな」—らしい。俺はさっぱり見えないが。
……というか、リーダーは始めから咲とか真に頼めばよかったんじゃないだろうか? なんで俺なんだよ!
霊は何かの怨みや心残りがある場合、まれに成仏できない例がある。それらは人間の邪念を受け、凶暴化する恐れがあるため、早めに対処するのだ。迷惑なことにそれも俺らの仕事なわけで。
「おい、龍輝? 僕はどうすればいいの?」
「あー、説得」
「もう、めんどくせぇな」
ぶつぶつ言いながらも、真は口を開いた。
「はい、そこの人たち聞いてくださーい。率直に言うと、早く成仏しろこのやろー」
傍から見ると大声で独り言を言っているようにしか見えない。霊感の全くない俺からみれば、変な光景であるが、真は真面目に話を続けている。
「あのね。この世になんの未練があるか知らないけど、素直に成仏してくれないとこいつがお前らの事無理やり成仏させるよ。ちょっと苦しいけど」
——しばらく真は黙っていた。
「…はい、もう終わり。 帰る」
「え? 終わり?」
なんかもう、何が起きたか分からないがどうやら仕事は終わったらしい。
…俺いなくていいじゃんっっ!
あーもう、なんなんだこの仕事。
—そんなことを考えつつ、俺も家に帰ることにした。