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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: —A shine of light— ( No.2 )
- 日時: 2010/07/21 05:44
- 名前: むーみん (ID: 2.GeU6Nm)
第一話 コロネオ
「はい、じゃぁ教科書28ページ開けー」
ダルそうに話す先生の声。
話なんか聞いていない生徒の無駄話。
そんなことお構いなしに寝ている奴ら。
…授業なんてだいたいそんなもんだ。
そんな日々繰り返される単調な毎日が、今になってはこんなに愛おしいわけで。
*
♪キーンコーンカーンコーン
下校のチャイムが鳴り響いた。みんなはごそごそと帰りの支度を始めている。
「おーい、龍輝ー!」
そんな中、前の席から俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。
顔をあげると声の主は中村大地。
こいつは野球部に所属していて、俺とは中学が一緒だった。
まぁそんなわけで昔からそれなりに仲がいい。
「あー? 何?」
「お前、これから暇?今日部活ないからさ、久しぶりに遊びいかね?」
…暇なわけねぇよ。
だって、今日『コロネオ』の会合じゃん!
少し考えた結果、遊びたいのを我慢して誘いを断ることにした。
「あー、無理だわ。ちょっと用あって」
「えー、お前最近忙しそうじゃね?」
「まぁなー。てことで、今日はマジ無理。勘弁してー」
「しょーがねぇな、分かったよ」
「ごめんごめん。じゃ!」
「おう、またなっ」
大地が手を振り、帰って行くのを見届けると俺は小さくため息をついた。
…できれば魔術なんて変な能力欲しくなかった。
つか、いらねぇ。
何の役にもたたねぇし、むしろ迷惑だ。
魔術を持つものの義務—
それが魔術結社に所属し、世の中の“普通ではあり得ないもの”を排除すること。
めんどくせ。
そして俺はコロネオの本拠地(つーか、ただの潰れた喫茶店)へ向かう。
あぁ神様、もしできるのなら…俺に普通で平凡で平和な生活をくれッ!
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