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Re: —A shine of light— ( No.61 )
日時: 2010/07/21 19:58
名前: むーみん (ID: 2.GeU6Nm)

「花本リンネ、一つ提案があるんだけど」

黒川翔が静寂を破った。

「…何?」

「俺が犯人って言うのは間違いねぇけど、俺にも仲間がいるんだよ。つまり、魔術結社に不満もってんのは俺だけじゃねぇ」

「ていうか、あなたたちの目的は何なの?」

翔はにやっと笑った。
そして口を開くと言った。

「復讐」

いつもの翔じゃない。
直感的にそう思った。
しかし今は静かにリーダ—と翔の声を聞いている事しかできない。

「で、提案って?」

「こういうの、めんどくさいじゃん。正面衝突。俺らを止めたいなら、止めてみろよ」

「ふん、いいけど。仲間って…何人いるのよ?」

「俺含めて三人。隣町の魔術結社『メイシック』所属、氷の魔術師、涼と光の魔術師、晃」

「晃ッ!?」

これは花本リンネの声ではない。俺の発した言葉だ。
光の魔術師、晃。
できるだけ話さないように気をつけていたが、しかし俺はその名前に聞きおぼえがあり、驚かずにはいられなかった。

…晃、俺の実の兄である。


「あぁ、そういえば晃って龍輝の兄貴だったな」

「な、何なんだよお前ら! 何がしたいんだよ!」

「だから言ったろ? 復讐だって」

その時、花本リンネは腕を組みながら未だ怖い顔で言った。

「黒川翔、いいわよ。その喧嘩買った」

一体、これから何が起こるのか——
俺も真もまゆも咲さんも、リンネでさえも分からない。
ただ、翔だけはニヤッと笑っていた。