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Re: 光のレナリ    二章、黒歴史!! ( No.132 )
日時: 2010/12/14 15:29
名前: 紅葉 ◆juofRO3qYc (ID: BfXEK8t.)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=19530

ボリュームセブンティーン

「皆様、こんにちは。私は、リンネリット=メルサです。今日は、私のためにこんなに集まっていただいて、本当に有難うございます。」

「あ、もう始まってるじゃん! エイシー急げ!!」

「ああ、はいはい。」

単純な奴。

僕が走る後ろを、しっかりついてくる。

逃げようと思えば、逃げられるのに、ね。

「私は、生まれた果実が輝いていました。だからこんな座にいます。でも・・・。だからなんだというのでしょう。私は皆さんと変わりありません。」

隣では、エイシーがまじまじと彼女の顔を見ている。

本当なら、このままでもいいところだけど・・・。

ここは、僕がピエロになっておくか。

「・・・はぁ、美しいって言う表現が一番よく似合う人だよね。」

「何言ってんだ、お前。」

僕だって思うさ。

それでも君は、ちゃんとリンネリット=メルサを見ているじゃないか。

成功、だと思うんだけど。

「なぁ、クラル・・・。」

エイシーが、口を開いた。

「ん?何さ。」

「俺帰るから。」

・・・え?

今、何て言った?

「帰るって、お前、え?だってまだ途中じゃん。」

予期せぬ事態だ。

まさか、エイシーがこんなことを言うとは、

微塵も思っていなかった。

そんな僕を他所に、エイシーはさっさと引き返す体制に入る。

「おぉい!! なぁ、待てよ!!」

ちょっと待て。

本当に待て。

僕の思い描いた筋書きと、おおきく外れている。

どうして・・・?

どこで、間違えた・・・?

「私は、幸福を皆さんに与えたい。こんな高い位置にいては、何も見えません。」

リンネリット=メルサの演説が、やけに大きく、耳障りに響いた。