コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 光のレナリ 二章、黒歴史!! ( No.143 )
- 日時: 2011/01/16 18:20
- 名前: 紅葉 ◆juofRO3qYc (ID: BfXEK8t.)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
ボリュームトゥエンティー
『星爆破官、採用試験実施。伝説になりつつある少女、またしても不参加。幹部に苦渋の声も。
成績トップは初受験の少年。新たな活躍に期待。
リンネリット=メルサのシルフィアが正式に発表。無名の少年、クラル=メルサリン。』
「・・・。」
放送されるニュースに、ぼうっと耳を傾ける。
私のシルフィアが決まった実感なんて、全然わかない。
別にもう、どうだっていい。
出来事にいちいち反発するのは疲れてしまった。
ただひとつ、心残りがあるとすれば・・・、
あの人、だった。
「会えっこ、ないよ。」
呟いて、余計に気持ちが重くなった。
名前も、知らない、しね。
顔ももう、思い出せないし。
「リン! ここにいたんだ。」
クラルが、いつもの笑みを浮かべて駆けてきた。
「・・・クラル・・・。うん、ニュースを聞いてたの・・・。」
「どうかしたの?悪いニュースでもあった?」
心配そうな言葉も、笑顔で言うから、
なんだか、中身が無いような感覚があった。
「ない、よ。大丈夫。」
「そう?ならいいんだけど。体には気を使ってね。星誕は明日だよ。」
「ああ、うん。そうするね。」
明日になったら、星誕に出かけないといけない。
だから、せめて。
せめて、一目でもあの人を見たかった。
無理だよ・・・。
顔も名前も分からないんだから。
そんな人、どうやって探せというんだろう。
あきらめないと。
「そうだ、リン、今日は最後だから、友達に挨拶をしておきたいんだ・・・。せっかくだから、ついてこない?」
「う・・・ん。分かった。」
あきらめないと。
忘れるためにも、ついていって気を紛らわせよう。
「こっちだよ。」
私の手を引っ張るクラル。
「う、うん。待って・・・。」
必死でついていく私。
「ああ、あそこにいた。おぉい!クレハ、エイシー!」
「あ?なんだよ、クラルか。」
「やあ、クラル。」
目の前で三人が談笑する。
「僕は明日出発するんだ。」
「まさか、クラルがシルフィアになっちゃうなんて・・・。本当、すごいよ!!うらやましい!!」
「有難う。運がよかっただけだよ。」
そんな失礼な言葉も、
談笑の内容も耳にはいらなかった。
私の意識が行くのは一箇所。
うろ覚えだったけど。
絶対、確実に。
「あなた、・・・あのときの・・・?」