コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 光のレナリ 二章、黒歴史!! ( No.159 )
- 日時: 2011/01/07 21:50
- 名前: 紅葉 ◆juofRO3qYc (ID: BfXEK8t.)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
ボリュームトゥエンティースリー
「失礼なのは…。」
言葉が、出てこない。
どうしても。
"あなたよ。クラル。"
それだけなのに、でてこない。
しばらくの沈黙の後、
「あ、あ…。クレハが嫌だった?もしかして、質問とかされるの嫌いだった?ごめんね、気づかなくて。」
「え、あ…その…。」
「そっかそっか。でもさ、言いにくいかも知れないけど、言いたいことはちゃんと言ってね。僕も気を使うからさ。」
「ちょ…そうじゃ…なくって…」
「ん?何なに?」
まくし立てるクラル。
何とか黙らせて、いう機会をつくっても、
「あ、の…私は…。」
一言が、でてこなかった。
「…まぁ、急がなくってもいいさ。まだ会ったばかりだし、ね。」
そんなことを言って、笑うクラル。
でもやっぱり、怖い。
やわらかい、や、あたたかい、という言葉で形容されるような笑顔だというのに。
私には、底なしの沼のようにみえて、怖かった。
「ええ・・・。ありが、とう。」
やっとの思いで言葉を搾り出した。
「顔色が悪いよ。大丈夫?」
そんなこと。
笑顔で言ったって、不気味さと嫌悪しか感じない。
「もう、休ませて。ごめんなさい…。」
「ああ。お大事に。明日は星誕なんだからさ。」
労いの言葉も、すかすかだ。
一見思いやっているように聞こえても、
"明日は星誕なんだからさ。"
全然、私のことなんか考えてない。
…ああ、いやだなぁ。
私、どんどん嫌な女になっていく。
黒い部分が、表面にでてきそうで、怖い。
それを必死に、自分の中に押し込んで…。
表面では、清楚な女を演じて…。
ああ、案外、私とクラルって近いのかも。
「ああ、そうだ、リン。」
「…?」
「これ。」
クラルが、なにかが書いてある紙を取り出した。
「じゃあね。」
「あの、これ…。」
聞き終わる前に、クラルは駆けていってしまった。
何だろう。この紙…。
「シルフィアの取り消し手続きと相手のその後について…?」