コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 光のレナリ 二章、黒歴史!! ( No.167 )
- 日時: 2011/01/13 16:28
- 名前: 紅葉 ◆juofRO3qYc (ID: BfXEK8t.)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
ボリュームトゥエンティーファイブ
それは、昔のお話で。
『さあ、リン、ここに座って。今日は大事な話があるんだよ。』
『はい、長老様。大事な話、ですか…?』
『そう。とても大事。いいかい、神はね。…実は性別など、持たないんだよ。』
「性別を、持たない…!?どういう、事ですか?だって現に私は女で…。シルフィアも、男と女の二人で…。」
驚愕。
それ以外の何者でもない。
・・・・・・・・・・・
「なら、リン。私は女かな?男かな?」
「あ…。」
そういわれれば、そうだ。
もう一度、改めて長老様の顔を眺める。
微笑が張り付いたその顔は、男にも女にもみえた。
「分からないでしょう。さあ、それはなぜだと思う?」
その声は、男のようにも、女のようにも聞こえた。
「何故、ですか…?」
恐る恐る、たずねる。
「それはね、それは…。長老になるときに、性別を捨てるからなんだよ。」
「性別を、捨てる・・・?」
意味が分からない。
でも、現に長老様は男でもなく、女でもないという。
「そんなことが、できるのですか?」
声が震えた。
そんな私に、長老様はいつもの優しい笑みで
「できるとも。私に限らず、全ての神が、そう強く望めばね。」
そういった。
その顔に、嘘の色は無かった。
「そうだな。…正確に言えば、"あって無いようなもの"とでも言うのかな。」
長老様は、そう訂正してから続けた。
「せっかくだから、長老の仕事について、少し教えておこうかな。」
長老様は、少し寂しげに笑った。
「性別が決定されるのは、神の果実が朽ちたあとの種子のとき。決定するのは、…長老なんだよ。」
「…え…?」
長老様は、しばらく黙り込んだ。
そして、息を吸い込んでから、
「種子に刻み込んでね。」
吐き捨てるように言った。
「でも、リンは特別。光る果実は、次期長老候補の印。必ず女なんだよ。もちろん、私もそうだった。」
「特別…。」
「そう。特別。」
ならば、生まれる疑問。
「なら、どうして長老になるとき、性別を捨てるのですか?」
瞬間、
空気が、凍りついた…気がした。
聞いてはいけないことを、聞いてしまったのだろうか。
「ごめんなさい…。忘れて、ください。」
「いや、いいんだよ。とにかくね、長老の仕事、少しは理解できたかな?」
「はい。…ありがとうございました。」