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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 光のレナリ----オリキャラいったんしめきります ( No.80 )
- 日時: 2010/11/09 16:39
- 名前: 紅葉 ◆juofRO3qYc (ID: BfXEK8t.)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
ボリュームシックス
そんなに讃えないで。
私はそんな特別な女じゃないの。
やめて…。
やめてッ!!
「リンネリット=メルサ様?どうなさいましたか?」
「!?」
呆けてた…。
「リンネリット=メルサ様。本日はどうなさいますか。」
「…今日も気分悪い。やって。」
「かしこまりました。お召し物はどちらに?」
「…勝手に決めて。」
「承知いたしました。演説内容はどのように?」
「…適当に考えて!!もう、下がってよ!!」
「分かりました。失礼いたします。」
毎日同じ問答。
憂鬱に憂鬱が重なって、
頭が、パンク寸前だ。
「…あの人、どこにいるんだろ。」
頭に浮かぶ、もうすでに霞んだ”あの人”の顔。
名前も知らない。何も知らない。
私のことを、『てめぇ』って言って、
私に、『鬱陶しい女だ』って言って、
名前を聞いても、教えてくれなくて。
私の精一杯の清楚な振る舞いにも、一切興味なしで。
そんな人は、初めてだった。
なぜだか、私の生まれた果実は、周りとちがって。
そして、讃えられ、祭られて。
生まれたときから、そうだった。
「わたしは、リンネリット=メルサよッ…」
そう、私は”特別な女”じゃない。
「ただのリンネリット=メルサなのよ!!」
みんなに特別扱いを受けて、
それにうんざりして。
そんな私を見透かしたかのように、あなたは。
『興味ねぇよ。とっとと失せやがれ。目障りなんだよ。』
心に突き刺さった。
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