コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ツギハギだらけのワンピース ( No.8 )
日時: 2010/06/14 21:03
名前: 涙兎 ◆I0wh6UNvl6 (ID: w62UqG.W)
参照: 涙兎/ると 11歳/♀ 友達募集中

04:scared☆girl



「やぁ、こんにちは。」

「ヒッ!!」
思わず声が出た。
あまりにも、とーちゃんに似ていて・・・。

「こー・・・ちゃん・・。」
そうつぶやくと、ニッコリ笑ってくれた。

そうか、怖い人じゃないよね?

「こーちゃん。」

「なっち。」
名前を呼びあっこした。
なぜか心が落ち着くその安定した低い声は、
何かのおまじないのようだった。

でも心のどこかでまだ、信頼していない。

とーちゃんに芽生える恐怖心が、どうしても消えないから。


「怖くないべさぁ、だってこれぁこーちゃんよ。」

「とーちゃん、だから。こーちゃん・・とーちゃん、だから。」

「ハハハ、僕は琥飛。飛陽みたいな悪い奴じゃない。」

「そうやで、こーちゃんはいいやつよぉ。あんなひどいやつじゃねぇべさぁ。こーちゃんは、こーちゃん。ひーちゃんは、ひーちゃんやけ。」

こーちゃんは、こーちゃん。
ひーちゃんは、ひーちゃん。


そう、呪文のように唱えると、
こーちゃんと目があった。

とーちゃんの顔はわからないけど、
どうしても頭の中の、あの怖いとーちゃんが、こーちゃんと同じ顔でうまってしまう。

「いや。」

「んんー?」

「いやだ。」

「何がべさ。」

「こわい・・・いやだ。」
そういって、あたしは必死で逃げようとした・・・。


こわくって、かなしくって、せつなくって

にげだしたくって、でもさみしくって、

おびえてて、でもつよがってて、でもおびえてた。


あたし、どうする?

あたし、どうする。