コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕の涙腺を刺激するもの ( No.109 )
- 日時: 2010/10/17 15:06
- 名前: 風菜 (ID: NhY/JZtF)
その言葉に、一琉は笑った。
「確信も持てないくせに、おかしな言いがかりをつけるのはやめてもらえる? 」
「な……っ!! 」
「それとも何? そっちが虚勢張ったつもりで、はしたないくらいの大声出して、私が泣いて謝るくらいの軟弱な女だとでも思ったの? 」
一琉は髪を耳にかけて、まるで伊吹が前まで他人に向けていた様な冷たい笑みを浮かべた。
「そんな馬鹿な考えしか思い浮かばないのなら、泉くんは手に入らないよ。」
真ん中の女子は、眉を吊り上げて顔を赤くした。
「アンタね……っ!! 」
そう叫んで一琉に勢いよく向けた掌を、一琉はいとも簡単に掴んだ。
「知ってる? 嫉妬と憧れは紙一重だって。」
「!? 」
「叫ぶ事と殴る事しかやらないあなた達に憧れられてるなんて解釈したくないけど、どうもその行動を見てたら、それしか考えつかなくてね。」
そう言うと、一琉は今まで掴んでいた相手の掌をパシッと叩いた。
「その性格直して、もう少し頭がよくなれば、出直して来る価値はあると思うけど? 」
そう告げた瞬間、相手の3人の忌々しそうな顔が目に映った。
一琉は後ろをくるりと振り返り、そのまま歩いて教室に戻ろうとした。
—————……だが
「まだ終わりじゃないわよ、水槻一琉……っ! 」
後ろであの真ん中の女子生徒の声がした。
「!? 」
驚いて振り向くと、上から水が降ってくるのが分かった。
(嘘……! 上の方にまでいたなんて……!)
さすがの一琉も上からの被害は及ばないと思っていたので、よける事は出来ずに、動けなかった。
水はすでに、一琉に今すぐ降りかかろうとしている。
(かかる……っ! )
そう覚悟して身を縮めた瞬間だった。
ザバァ!!
大量の水が降りかかる。
だが、一琉は濡れていない。
「え……? なん……」
「水って意外に冷たいんだな。」
その声に、一琉は驚きを隠せなかった。
「泉くん……!? 」
そこには、、一琉を抱き締める様にして庇い、一琉の代わりにびしょびしょに濡れた伊吹がいた。