コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 僕の涙腺を刺激するもの  ( No.156 )
日時: 2010/10/17 15:17
名前: 風菜 (ID: NhY/JZtF)

第15章 「フラッシュバック」


『泉伊吹、だよね? 』
『私も次から、そう呼ぶね。』

一琉のその言葉が、頭から離れない。

それに、嬉しくてたまらない。

彼女が自分の事を名前で呼んでくれるだなんて。

終始にやけながら、僕は教室まで全速力で廊下を駆け抜けた。

理性が働かなかったら、きっと僕は今頃 『よっしゃーーーー! 』 と叫んでいた事だろう。

それぐらい、嬉しいのだ。

僕は想像してみた。

一琉が、僕の事を 『伊吹』 と呼んでくれるのを。

あの澄んだ声で呼ばれたら、きっと僕の胸の高鳴りは止まらなくなる。

そんな事を考えていたら、頭の中でとある声が響いた。









『伊吹』















と。 一琉の声に物凄く酷似していた。しかも、それがやけに生々しく、リアルに聞こえる。

一体何なのだと、疑問に思う暇も無く、頭で嫌な音が鳴り出す。

まるで耳鳴りの様な音だった。
それと同時に、引き千切られる様な痛みが僕を襲った。



「うわああああああ!!! 」

その痛みに耐え切れず、僕は叫んだ。