コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕の涙腺を刺激するもの アンケート実施中!! ( No.279 )
- 日時: 2010/11/07 16:13
- 名前: 風菜 (ID: afFDOS/q)
『ねぇ、一琉。』
咲原結衣菜が、本を読んでいる一琉に話しかけた。
そこで僕は、またこの2人が成長している事に気付いた。
もしかしたら、この夢の中では時間が過ぎているのか?
『何? どうしたの? 』
本に目を落としながら、一琉が聞いた。
『いきなりで悪いんだけどさぁ……。一琉って、好きな人いるの? 』
『えっ!? 』
咲原結衣菜の質問通り、いきなりの質問に顔を赤らめ驚く一琉。
その反応に、ニヤニヤと笑う咲原結衣菜。
『いっ、いないよ……。』
『まーたそんな事言ってー。本当はいるんでしょ? 』
『いっ、いないってば……。』
『伊吹とか? 』
そう言った瞬間、一琉は一気に咳き込んだ。
その様子に、咲原結衣菜は大爆笑した。
『やっぱりそうだったんだーーーー!!!!! 』
『ちょっ、そんな大きい声で言わないでよ! 』
『大丈夫だって。今男子2人は外でバスケしてるし。』
その言葉に、一琉は安堵し、ほっと胸を撫で下ろした。
『な……、何で分かったの? 』
『だってさぁ、学校でもこういう遊びの時も、いっつも伊吹の事ばっか見てるじゃん? だから、バレバレな訳。』
そんな咲原結衣菜の告白に、一琉の顔は青ざめていった。
『そ、そんなに私分かりやすかったんだ……。もしかしたら伊吹にも、バレてる……? 』
『あー、それはないない。あいつ、かなり鈍いし。それにさ、多分あんた等2人、両思いだよ。』
『嘘ッ。』
『本当だって。あいつ、一琉にだけ特別優しいじゃん。』
人指し指を,咲原結衣菜は一琉に向けた。
『でも伊吹、すっごいモテるし……。』
『大丈夫だって。あいつはそーそ簡単に好きな子変わったりしないから。』
『そうだといいんだけど……。』
不安な気持ちがなかなか消えない一琉。
そんな彼女を、咲原結衣菜はまるで菩薩の様に優しく見つめた。
すると一琉は突然、あっと思い出した様に短い声を上げた。
そして、もの凄い速さで咲原結衣菜を見た。
『結衣菜は好きな人、いないの? 』
と言った。
一瞬、咲原結衣菜は驚いた顔をしたが、すぐに、一琉とは打って変わった落ち着いた口調で答えた。
『いるよ。』
『えーーーーっ? 誰? 』
『零だよ。』