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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕の涙腺を刺激するもの アンケート実施中!! ( No.292 )
- 日時: 2010/11/20 11:50
- 名前: 風菜 (ID: U.0LA5in)
第24章 「酸っぱいだけの夏蜜柑、僕等の青春」
そしてまた、いつの間にか時が経っていた。
しかもそれは、大幅に、だ。
『あれっ? もう来てたの? 』
本を片手に、あの廃墟の中へ入っていった一琉の姿は、僕が以前見た時と全然違っていた。
まず、背は軽く15センチ程伸び、髪も腰までの長さと変わっていた。それに、顔からあの幼さが消え、すでに大人の風格だ。
『何だ、一琉、今日は随分遅かったんだね。』
奥からそう叫んだのは、咲原結衣菜だった。
彼女もまた、だいぶ背が伸び、顔立ちも雰囲気も違っていた。髪型もベリーショートに変わったが、それが凄く似合っていた。ただし、口調が荒いのは変わりない。
『うん、掃除当番があって、遅れたんだ。』
そう答えながら、一琉は廃墟の奥へと進んでいった。
そして、そんな一琉の答えに、あの少年が笑いながら叫び返した。
『だーかーらぁ、いっつも言ってるだろ。マメモヤシなんか掃除してるトコちゃんと見ないで行くんだから、サボっちまえばいいんだって。』
そしてまた、この少年も成長を遂げている。
と言ってもまぁ、他の2人が成長しているのだから、この少年が成長しないのは不自然なのだが。
髪は長めになり、背も大きくなっていた。そして、声は少し低くなっている。顔立ちも、少し変わっていた。
『無理だよ。一琉は真面目だから、掃除をサボるなんて愚の骨頂な訳。』
そう言ったのは、少年Aだった。
彼もまた、背が劇的に伸び、髪も伸びた。顔立ちも、他の3人とは比べ物にならないくらい変わっていた。
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