コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 僕の涙腺を刺激するもの   ( No.298 )
日時: 2010/11/26 20:45
名前: 風菜 (ID: EpPczols)

『伊吹〜? あれ? 伊吹は? 』
あの廃墟で、私は伊吹を探していた。

『あっ、一琉。伊吹なら、外で零とバスケしてるよ。』
横から結衣菜が言った。

『またバスケ? 懲りないね、本当に。』
『まっ、しょうがないでしょ。』

結衣菜は薄く笑っていた。
私も笑い返して、外に行った。








————— 外 —————

外に出ると、結衣菜の証言通り、伊吹と零は外にいた。
だが、バスケをしている訳ではなかった。

(何してるんだろう? )
そう思って、私は影から2人の様子を伺った。
すると、何やら話し声が聞こえた。

『お前さぁ、いつまでそういう中途半端な態度取り続けるつもりなんだよ? 』
いつもとは違う声で零が伊吹に言った。

『一琉が好きなら、さっさと告ればいいじゃん。』
その言葉に、私はビクッと体が反応した。

(あの時、結衣菜が言ってた事、本当だったんだ……。)
赤面しつつも、私はなお聞き続けた。

『ずっとそうやってるつもりなら、俺が盗っちゃうよ? 』
零がそう言うと、私は持っていた本を落とした。

すると、伊吹と零が私の存在に気付いてしまった。

『一琉……っ!!! 』
伊吹のその叫び声も耳に入らず、私は様々な事を思考し、一目散に走り出した。
















ヤメテ……!!!!

お願い、やめて —————!!!!!

大事な人を失うのは、もう嫌 —————!!!!!














『おいっ!!!! 待てって!!! 』
いつの間にか、伊吹が私に追いついていた。
『何で逃げるんだよ、一琉!!!!!! 』

『だって、私は —————!!!!!!! 』

ズル……ッ。

『え……っ? 』

私は何かに滑り、落ちそうになった。

『一琉っっっっ!!!!!!!! 』

そして私を庇い、引き上げた伊吹は、











下に落ちた —————……。










不運な事に、伊吹が落ちた先は、深い深い崖の底だった —————……。











『いやあああああああああーーーーーーーー!!!!!!! 伊吹ぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーー!!!!!! 』

私は泣きながら叫んだ。








ああ……。











私は……。









マタ大切ナ人ヲ失ッテシマッタ —————……。