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Re: 僕の涙腺を刺激するもの   ( No.359 )
日時: 2010/12/23 11:34
名前: 風菜 ◆feeLWMpK0E (ID: mOKQW.49)

「貴方は日本人で、とある日、アメリカ人女性に恋をし、その女性と結婚を果たしました。」

私は語り始めた。

「結婚生活は実に円満に進み、やがて子供も生まれました。ですがその子供は、とてつもない才能を持っていた……。それを嗅ぎ付けたマスコミが、たくさん自宅に押しかけて来た。それに対して貴方は怒り、我が子と、そして愛すべき妻に、犯罪になるほどの暴力を振るい、離婚話を持ちかけられましたね。理由は、やはりその暴力と、今まで巧みに隠し続けてきたアルコール中毒、そして覚醒剤中毒。ですが貴方はその離婚話を断った。何故かと言うと、あんなに忌わしい筈の我が子の才能が、金になるのではないかと考えたから。そうでしょう? 」

私は問いかけた。
だが、相手は答えなかった。

「そしてしつこく反論する妻を、貴方は殴りつけ、撲殺した。そして貴方は、覚醒剤中毒の生で死んだ……。これで悲劇は終わった。」

私は笑った。
















「————— 表向きはね。」

私は指先で椅子の埃をなぞった。

「だが本当の真実は、計算され尽くした、とてつもなく闇に染まった醜いもの。ここからは、心して聞いた方が、いいのかもしれませんよ。」