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Re: 僕の涙腺を刺激するもの   ( No.378 )
日時: 2010/12/29 15:08
名前: 風菜 ◆feeLWMpK0E (ID: mOKQW.49)

「そう名付けて、私は貴方に途中報告を続けた。今思えば、その時にこの不自然さに気付けばよかった……。と思っていますけどね。そして私はある時気付きました。これは、『脳移植』などではないと。」

私は腕を組み、話を続けた。

「貴方は私が、1度『本部』に行った事を御存知でしたか? 」

そう言うと相手は、ますます驚いた顔をした。

「な……っ!! お前が1度、『本部』に来たと!!? 」
「ええ。」

私は薄ら笑いを浮かべて話した。

「本部の存在は、貴方から聞かされていました。いつか私を殺すつもりで言ったとは思います。その時に聞かされては、怪しまれると思っての行動だとは思いますが。ですがそこは貴方の計算ミスです。私を甘く見てもらっては困ります。」
父親の顔は、どんどん引きつっていった。

「『本部』とは、その貴方が考えているその活動を行うに当たっての拠点です。つまり、伊吹の脳を奪う為の本当の活動場所。今いるこの場所は、私が持ちかけた話を聞く為だけに存在する場所。故に、本部とはかけ離れています。」

そう、この話をする為に、私は今回父親に連絡をしたのだ。

「その『本部』は、物凄い所でした。この場所よりも汚く、古ぼけていて、人の気配などまるでしない。気味が悪かった。これは怪しいと、私は思いました。すると1つの部屋から明かりが漏れている。そこを恐る恐る見てみると、白衣を着た貴方がいた。すると貴方は、携帯で何かを喋っている。で、私が盗み聞きした話は、とんでもないものでした。」

私は一歩前に踏み出した。

「『泉伊吹の脳は、やはり手に入れるべきだ。人類になかなか存在しない、貴重な物だ。あの水槻一琉を騙してよかった。これで泉伊吹の脳を手に入れるのに一歩近付いた。あいつの脳は、何としてでも手に入れねばならないからな。なんていったって、あいつの脳は……。」