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Re: 僕の涙腺を刺激するもの   ( No.407 )
日時: 2011/01/08 22:51
名前: 風菜 ◆feeLWMpK0E (ID: cp3YpwTA)

最終章 「僕の涙腺を刺激するもの」



周りを覆い尽くしている炎のせいで、体が熱い。額から汗が伝ってくる。
赤く燃え上がる炎を、私は見つめていた。

(伊吹達……。大丈夫かな……。)
そう考えた後、私は自分を嘲笑う様に顔を歪めた。

(もう……。未練はない筈なのに……。何で伊吹にあんな事言っちゃったんだろう……。)
そう思いつつ、頭を抱えた。







『違う!!!!! 私は死にたくない!!! 私はもう、伊吹の傍にいる資格がない!!! 』




私はさっき言った自分の言葉を思い出していた。

「あんな中途半端な事言って……。本当、バカみたい……。」
私は下を見た。



本当にそう思っている?
中途半端だと思っている?
死にたいと思っている?




頭の中で思考回路を巡らせた。
こんな場所だからこそ、考えてしまうのかもしれない。

だが1つだけ、確かな、消えない思いがあった。


















それは —————。

























「好きだよ、伊吹 —————。誰にも負けないくらい……。だから、来て —————。助けて —————。」

私は涙をこぼしながら叫んだ。



























「くそ……っ!!!! 」
俺は小さくそう唸りながら足場を確認し、先に進んでいった。

暑い。とにかく暑い。
こんな暑い思いをしてまで、あいつは死にてえのかよ?

なぁ、一琉、お前は本当にそう願っているのか?

俺はそう考えながら、遅くも確かな足取りで先に進んでいった。





















「助けて……、伊吹……っっ!!! 」
「今行くからな、一琉……。」
「私、本当は死にたくない!!!! 」
「お前が本当に死にたいって願ったとしても、俺は意地でもお前を助ける!!!! 」

そうして俺は —————。
私は —————。


















前に向いて歩いていく —————……。
涙が止まらなかった —————……。