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Re:僕の涙腺を刺激するもの ( No.62 )
日時: 2010/10/17 14:45
名前: 風菜 (ID: NhY/JZtF)

「人間観察よ。」
水槻一琉はあっさりと言った。

「ふうん……。」
僕は笑った。

「何故? 」
僕は聞いた。

「興味があるから。」
その言葉に、僕は声を出して笑った。

「君は、考えた事はすぐに実行するタイプな訳か。」
なるほど、と思わず呟いてしまった。

「向こう見ずのような行動も、その計画性までも兼ね備えた頭脳のおかげで成立つんだな。」



どこまでも楽しい奴だな———。
と、僕は思った。

その頭脳に、向こう見ずな行動。
本来ならば噛み合わない筈の性質なのだが、コイツがやればそれもまた+αの能力に変化するのか……。

見ていて飽きない。

僕は初めて他人の事をそう思った。

「これで私の説明は終わり。異論は? 」
そう言う彼女の目は、とても楽しそうだった。

「……あると思うか? 」
僕は笑った。

クスッと彼女も笑った。

「そうね。」

水槻一琉はそう言うと、僕の胸を指した。

「ところで私、やりたい事があるの。」





























彼女の瞳の好奇心は、まだ消えていなかった。