コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しつ恋 ( No.3 )
- 日時: 2010/06/17 11:48
- 名前: 蒼雅 ◆CwIDAY6e/I (ID: ztRXnpN9)
- 参照: http://loveandstar.blog27.fc2.com/
01 *起こった事
校長先生は、言いたい放題とばかりに長々と話していた。
春って言うのに、春を通り過ぎて初夏が来てしまったんじゃないか、って程、暑い。
しかも、全校生徒がいるなか、更に体育館の気温が上昇する。
ずっと立ってるのも辛い。
なぜ、このような決まりを作ったのか知りたい。
疲れるだろうよ!
もう、疲れているが……。
わたしは校長の話などそっちのけで、ここの学校の先生に文句を心の中で言った。
そして、これからする事を考える。
中学二年生の勉強か。
まったく、面倒くさい。
今日ぐらい休ませろってんだ。
チラリと後ろの列を見る。
すると、校長の話をそっちのけで仲良くしゃべっている、女子生徒と男子生徒がいた。
……怒られても知らんぞ。
なんやかんやと心の中で喋ってると、長ったらしい校長の話は終わり、教頭が何か短く話して、終わった。
「え〜、理奈ちゃんと離れちゃう〜!」「あ〜あ、あの人と離れちゃうな……」「今年も恋歌と一緒だぁ〜!」「今年もよろしくな〜!」
それぞれのクラスの前でこういう会話が聞こえる。
五月蝿いもんだ。
自分のクラスがわかったら、すぐに入ればいいじゃないか。
邪魔だ。
ちなみに、わたしは友達なんてまったくと言っていいからいない。
だから、キャーキャー騒がず、自分のクラスに入る。
とりあえず、適当な場所を見つけて、席に着く。
適当な場所って行っても、絶対に窓側で一番後ろ。
後ろの人に気を使わなくてもいいし、空も見える。
空は特別好きって訳じゃないが、見てて飽きない。
時間を忘れられるし、授業も聞かないで済む。
……ある意味わたしって問題児か。
まぁ別にいいけど。
先生が怒らなければ誰も迷惑をかけてない。
「この席空いてるー?」
いきなり、それなりにでかい声で誰かに話しかけられた。
声するほうを見ると、男子生徒が二人いた。
一人は(声をかけてきたほう)、短髪で少しハネている。
寝癖だな。
目は子どもみたいにキラキラしている。
もう一人は、バカを絵に描いたような顔だった。
どこがっていっても、答えられないが、とにかくバカっぽい。
「え、えぇ……。空いてますけど」
とりあえず、返事をした。
声をかけてきた人は「ありがとっ」と言って、堂々と座った。
わたしの隣か。
なんか嫌だな。
多分、授業中でもコソコソ話してるタイプだろう。
まぁ……いいか。
また空に視線を移す。
ほとんど雲がない空……。
頬杖をかきながら、空を見つめる。
「オレ、井野本空」
ブハッとでも言いそうになった。
頬杖は崩れて、顔を支えるものがなくなった。
びっくりしたっていうのもあるし……。
さっきからずっと、空、空、って心の中で言ってたから……。
なんか反応したというか、なんというか。
とりあえず、わたしは頬杖をちゃんと元の位置に戻して、「あそ」と答えた。
あんまり、こういう人とは関わりたくない。
関わってもめんどくさいだけだろうな。
「コイツは一応オレの相棒、木下篤志」
「一応って何だよっ」
木下っていう人が少し怒り気味に言った。
「わりぃ」と、井野本がいうと、わたしに向き直った。
「お前は?」
「……麻村梨乃」
名前ぐらいいっか。
どうせ、いつかは知ることになるんだし。
「麻村か。宜しくな〜」
ニコッと笑って、木下に向き直って、ペチャクチャと喋りだした。
まったく……うるさいやつだ。
そう思って、空に向き直る。
なんとなく、今後井野本がこの中二生活に絡んできそうな予感がした。