コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しつ恋 ( No.4 )
- 日時: 2010/06/17 18:56
- 名前: 蒼雅 ◆CwIDAY6e/I (ID: ztRXnpN9)
- 参照: http://loveandstar.blog27.fc2.com/
02 *サボった時間
「はぁ……」
先生にバレないように、小さくため息をつく。
今は今年度の学習内容とか、行事のことなどなんやらかんやら説明している。
行事とか、去年と似たようなことをすりゃあいいんだろ。
空は若干雲行きが怪しく見えてきた。
雲がだんだん増えてきて、太陽が見えたり見えなかったりする。
雨なんかふってきちゃ嫌だよ。
傘とか持ってきてないし。
つか、天気予報見るの忘れてた。
まぁ、いいや、雨ふっても。
命に関わる事でもないし、帰ったらすぐに着替えればいいだけ。
あーだこーだと考えていたら、休憩タイムになった。
よし、サボろう。
このぐらいサボっても別にいいか。
内伸点?何それ?んなもん知らない。
わたしは、席を立って屋上に行こうとする。
すると、誰かにまた話しかけられた。
「あ、あの〜……ティッシュ、落としましたよ?」
「え?」
ポケットを確認してみる。
本当だ、ない。
振り返って、拾ってくれた女子生徒にお礼を言った。
「あ、ねぇ!」
「?」
「せっかく、クラスで一緒だから、名前、聞いてもいい?」
「え、あ、まぁ、いいけど……」
この女子生徒は小柄だった。
わたしより、十センチぐらい小さい。
髪の毛は横に結んでいて、目は可愛らしい茶色だった。
「わたし、安部アズミ。アズミっていうのはカタカナ」
「ふぅん……。わたしは麻村梨乃」
「麻村さんか。よろしくね」
無邪気で可愛い笑顔で挨拶されたら、自然とこっちも笑ってしまう。
まぁ……ひきつってるが。
そして、さっさと教室を出て、屋上に向かった。
ここの屋上はいつも開放してあるから、他の生徒がいる可能性があるけど、関係ない。
屋上にいくと、案の定、男子生徒が一人いた。
寝転んで、空を見ている。
無視して、離れたところに座って、わたしも空を見上げる。
まねしたわけでもないけど。
しばらくして、ポケットに忍ばせてあった携帯を見る。
普段はバックの中だが、こういうときは持ってくる。
十二時。
ちょうど、休憩タイムが終わった時間だ。
今日は四時間だから、もうすぐで給食。
……給食っていうより、今日は弁当だが。
まぁいいや。
お腹すいてないし、帰ったら弁当食べよう。
さて、あの男子生徒はいなくなったであろうか。
チラリといた方向を見る。
……まだいたのか。
アイツもサボる気か。
それとも単に時間が知らないだけなのか。
まぁ、アイツがサボろうとわたしには関係ない。
わたしはまた空を見る。
……本当に雲行きが怪しい。
山のほうを見ると、雲で覆われて、暗い。
明日ごろには降るな。
まぁ、雨は嫌いじゃない。
「あ、今日雨降るんだっけ?」
男子生徒が口を開いて、わたしは肩をびつかせる。
とりあえず、わたしは今日雨ふるのか、明確な情報が欲しかったから、聞いてみることにした。
「本当?」
男子生徒はチラリとわたしのほうを見て「ああ」と頷いた。
「オレ、傘持ってきてない。天気予報見てたのに、忘れた」
「わたしも持ってきてない。天気見てなかったから」
しばらく沈黙が続く。
すると
「校長の話が長ったらしい上に、先公の話も長ったらしいからサボる」
とりあえず、面白いので、答えてみる。
コイツはわたしと同じことを考えている。
「わたしも、校長の話が長くて疲れた上に、先公の話で、体力奪われるからサボる」
「似たもの同士って奴か?」
「多分ね」
その瞬間目が合った。
そいつはニカッと笑った。
「オレ、倉野正輝。二年二組」
「麻村梨乃。二年一組」
「んじゃあ、宜しく。麻村。クラスが違うのがちょっと残念だな」
「宜しく。そうとは思わないけれど」
「そうか?オレはお前に少し興味があるからな」
「ぇ」
何だコイツは。
まぁいい。
切れのいいところで、やめよう。
こうして、また沈黙が続いた。
一応、自分にこう言い聞かせる。
ただ単に話しただけで、友達になったとは限らない。
世の中、会う人は沢山いるけども、全員友達になるわけでもないからな。
別に、友達なんていらないけど。
また、空を見上げる。
雲の隙間から見える、青い空がなんともいえない。
携帯を取り出して、写真を撮りたいぐらいだ。
……とろっか。
携帯を取り出し、カメラ機能にして、パシャッと撮る。
うん、いい感じだ。
「空、すきなのか?」
うへ、またかよ。
とりあえず、質問されたから答える。
「まぁね」
「オレも」
ここで会話が途切れた。
それから会話は無かったが、何だか楽しく思えた。