コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しつ恋 ( No.17 )
- 日時: 2010/06/19 19:31
- 名前: 蒼雅 ◆CwIDAY6e/I (ID: TsdJlnVC)
- 参照: http://loveandstar.blog27.fc2.com/
05 *勘違いからの勝負
昼休み、周りの人たちは教室の中で喋ったり、隣のクラスに行ったり忙しそうに動いた。
……まぁ、これがいいんだろうけど。
それにしても……
「何で、アンタがわたしの後ろなんかに」
嫌だ。
わたしの後ろに井野本と木下がいる。
二人でわいわい話しては、「やめろっー!」という声などが聞こえる。
「別にいいじゃーん。俺等のクラスなんだしよ」
「そーそー」
井野本に続いて、木下がうなずく。
わたしは、ハァッー、とため息をついて、本を読む。
すると、ドアから元気のある二人の男子生徒の声がした。
「いのっちゃ〜ん、あっつ〜!お元気〜?」
今度は誰だ。
わたしのイライラ度は高まりつつ、その二人は近づいてきた。
どうやら、井野本の友達なようだ。
「おう、カズ。お前から来るとは」
カズ、と呼ばれた人が少し、機嫌が悪いように言った。
「だって、お前から来てくんねーんもん」
「お、麻村じゃん」
一人の男子生徒、そして少し聞き覚えのある声がした。
とりあえず、振り返ってみる。
……あ。
「倉野……だっけ」
倉野はニッコリ笑って、「よぉ!」と元気よく挨拶した。
「オレさー、今日麻村が屋上に来るかと思って、待ってたけど、いなくてさー。結局、先公に怒られた」
倉野は若干ニコニコしながら喋っている。
倉野以外の三人はびっくりして、わたしと倉野に質問をした。
「お前ら、付き合ってんの!?」
「はぁ?」
思わず声が出た。
こんなやつと誰が付き合うかっ。
「別に、付き合ってなんかねーよ。昨日屋上で友達になった〜」
倉野はニカッと笑って、わたしを見た。
イライラ度が高まる。
友達?
なった覚えは無い。
少し喋ったからって……。
「あ、そうだ!オレのことはまだ自己紹介してなかったよな!えーと、麻村っていう人、オレは三枝和也!皆からはカズって呼んでるから〜」
「あそ」
わたしは冷たく言う。
名前なんてもうどうでもいい。
そこらへんの人が変わりに自己紹介しとけっ。
だんだんわたしのイライラ度が溜まり、遂に頂点まできた。
わたしは、乱暴にガタッを席を立って、教室から出た。
四人はポカーンとしていた。
_
「全く……うるさいのって何の」
わたしは廊下を歩きながら呟く。
その時。
「あ、アイツだよ、調子乗ってんの」
乱暴で冷酷でお前こそ調子乗ってるだろ、という雰囲気が丸出しの声がした。
声のするほうを見る。
そこには、一人は井野本の周りにいた人で、もう二人は知らない人だった。
「うわ、こっち見てるよ」
「キモッ」
「いかにも、調子乗ってる〜」
わたしに向かって悪口をバンバン言う。
何か言いたいなら面と面で言え。
ったく。
わたしは無視すると、こんな声が聞こえる。
「逃げたよ、弱虫だ〜」
カチンと来た。
わたしはツカツカと歩み寄る。
そして、面と面でこういう。
「何か言いたいことあんなら、面と面で向かって言えよ!まどろっこしい」
三人はすこし呆然とした。
きっと、思っても見なかったのだろう。
わたしはギロリと睨みつけた。
すると、見たことある一人がブッサイクな顔して、反論してきた。
ブッサイクと言っては何だが、本当にそんな顔をした。
普通にしていれば、まだ可愛いのに。
「ふぅ〜ん、いい度胸じゃない。いいわ、これからライバルになりそうだしね」
「は?ライバル?」
「とぼけんなっ」
もう一人が言う。
黙っていた二人もわたしに向かってすごい形相で、睨みつけている。
「そうよっ。アンタ、井野本君のこと好きなくせに、井野本に少し相手にされるからって、調子にのってんじゃないわよっ」
「はぁ、調子に乗ってる?」
こいつらは何を言っている。
わたしが調子に乗っている?
のるどころか、のりたいすらも思わない。
わたしはため息をついた。
「あんた達、なんか勘違いしてない?」
「勘違いしてるもんですか!」
リーダーみたいな人が言う。
「ずっと、見てたんだから!もういい。絶対アンタなんかに負けないから。ま、ライバルとして、名前を名乗るわ。篠原伊理奈よ。覚えといてね」
誰が、アンタみたいな腹黒の名前を覚えるかっと、心の中でつっこんだ。
「一応、わたしも友達として言っとくわ。小堺優美よ!小堺優美!」
名前が可愛いからって、二度も言わなくたって。
雰囲気でわかる。
わたしの名前は可愛い!ってね。
「……わたしは大島七海っ。ったく、コイツになんかに名前教えたくねーよ。あたしの名前、汚れる」
よー言うわ。
「アンタは……麻村梨乃ね。だっさい名前」
「どんな名前でもいいだろっ。低脳」
頭にきていたので、普段は言わないが、今日は言う。
イライラしてるし。
「うわっ、何コイツ。ねぇ、いりっちー、もうこれ以上コイツといるのやめよ。うちら、汚れる」
お前のほうがさりげなく暴言言ってるじゃねぇか。
まったく、めんどい奴らだ。
つか、いりっちとか。
可愛い子ぶってんのかねぇ。
「そうね。じゃ、アンタには負けないから!」
「二回も聞いた。わかったから、わたしと一緒にいて汚れるならさっさと行けば?あんた達と構ってると体力消耗するわ」
「うわっ、生意気」
またなんかギャーギャー言ってくる。
もういい。
面倒くさい。
わたしはイライラと呆れた雰囲気でため息をついて、「じゃあね」と、冷たく言い放った。
まったく、何がライバルだ、生意気だ。
勘違いしてるな、完全に。
面倒な事が起きそうな予感。