コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Because you were「貴方がいたから」 ( No.101 )
- 日時: 2011/01/05 10:48
- 名前: ハルカ (ID: HijqWNdI)
Ⅶ【029】
・・・ピンポーン
10時ちょうどにインターホンが鳴り響く。
「はーい、 あら、三鷹君じゃない!?」
「ども、 えと、澪は?」
「澪は今部屋だと思うけど・・・、澪ー!!」
お母さんの大声に「今行くー!!」といって急いで階段を駆け足で下りていく。
階段からひょこっと出てきた澪の姿を見た途端、俺の視界は澪一人となった。
肩をだしたボーダーセーターに、ふんわりとした白いミニスカート・・・。
普段いじらない髪を頭の上でお団子にしてまとめてある。
健全な男子高校生である俺がこんなの見てしまったらもう、・・・・・理性が吹っ飛びそうだ。
手で顔の半分を覆い、赤くなった顔を隠す。
「・・・ふふ、三鷹君たらっ♪」
その様子を隣で見ていた澪のお母さん、千恵子さんは不気味な微笑で俺をつつく。
ヤベェ・・・、千恵子さんいたんだった。
「あははは・・・・っ」
覆っていた手を頭の方へ持っていき、ガシガシと髪の毛をグシャグシャニ掻く。
赤くなった顔は丸だしだ・・・← 恥ずいぃ・・・///
そんな俺に気付かない澪は手早くブーツを履き、立ち上がる。
「じゃ、いこっか!!」
「おう」
平然を装っていたが、内心はどぎまぎしている。 ちゃんといつも通りだろうか・・・、オレ・・・。
「お母さん、行って来ます!!」
「いってらっしゃい♪ 帰ってこなくていいわよ☆ ・・・ふふっ」
不気味な笑み&とんでもないことを言い残しドアをゆっくり閉めていく千恵子さん。
俺はただただ笑うことしか出来なかった。
ファミレスにて...
「澪ー、進藤ー。こっち、こっち!」
「やっほ、鈴菜☆」
店の奥に手を振っている鈴菜を見つけ、歩み寄る。
向かい側の席に三鷹と隣同士で座る。
「どうしたの?急に遊ぶって・・・」
「うん、澪に話したいことがあって」
「話したいこと?」
あたしは首を傾ける。 話?鈴菜からなんて珍しいな。
「うん、佐山のことでさ」
「———」
その言葉に少しだけ動揺する。
そんなあたしを見て、「大丈夫だよ」と付け加えてから笑う。
この様子からしたら、多分・・、悪い話じゃないんだなって勝手に解釈するあたし。
「あのあとね、佐山がそれデマだっていってさ・・・、まるくおさまっちゃった」
「えっ・・・、佐山が?」
そんなことしてくれたの?
あたしは目を軽く見開きながら鈴菜を見つめる。
「うん、 ・・・お礼言っときなね?」
「・・・うん」
・・・少し佐山のこと、誤解してたかも。 仮にも一応元カノだったのに・・・、情けないな。
あたしは少し俯きながら頷く。
「それと・・・」
「・・・何?」
まだあるの? そう思いながら顔を上げて鈴菜を見つめる。
「クラスでグチってた子ら、『ごめん』って言ってたよ」
「あぁ、うん。気にしてないよ」
なんだ、そのことか。 そう思いながら軽く両手を左右に振り、苦笑いを浮かべる。
「そっか、じゃあそんだけ」
鈴菜は任務完了とばかりに「じゃあ、食うか!!」と言ってメニューを開く。
「おい、値段考えろよ」
それまで黙っていた三鷹が苦笑いを浮かべながら、同じようにメニューを開く。
「ケチだな・・」
ぶつぶつ文句を口走りながらも視線はメニューからはずさない。
・・・・お腹減ってるんだな。 ってか、これって三鷹のおごりなの??
あたしは不思議に思い、三鷹を見つめる。
あたしの視線に気付き、三鷹は笑いながら「なに食う?」と聞いてきた。
・・・この様子じゃ、払ってくれるんだ♪←またも勝手に解釈
「じゃあ、このジャイアントパフェにする〜♪」
あたしの指差すメニューの中に、苺を中心として彩られた巨大パフェが乗っていた。
三鷹はそれをみて、苦笑いになり・・・・
「・・・それ、おいくら?」
と呟いたのであった。