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Re: Because you were「貴方がいたから」 ( No.102 )
日時: 2010/08/13 19:59
名前: ハルカ (ID: q9W3Aa/j)

Ⅶ【030】





「じゃあねー」

鈴菜とファミレス前で別れて、あたしたちは歩き出す。

「・・・何処行く?」

隣であたしに合わせて歩く三鷹を見上げながら聞く。

「・・・俺ん家来るか?」

「いいよー」

笑ってピースサインを送ると、三鷹も同じようにピースしてから笑う。

三鷹の笑顔、 やっぱ好きだなー。

ささいなことでニヤけてしまうあたしは幸せものだと思う。

ふと、あたしはそのにやけ顔であたりを見回すと、道端で泣いている少女がいた。

どうしたんだろう?

あたしは気になってその女のこの方へ駆け寄った。

結構人が多い所だったため、三鷹とは離れる形になってしまったけど・・・あとでメールすればいいか。

女の子の傍まで来て、あたしはしゃがみこんで顔を覗きこんでみる。

「どうしたの?」

頭を軽く撫でながら問いかけると、女の子は泣きながら顔を上げる。

「ヒック・・・、お兄ちゃんとっ・・・離れちゃった・・・」

「そっか、・・・つまりはぐれちゃったのか」

あたしはよしよしといいながら頭を撫で続ける。

うーん、 ほっとけないな・・・。 ・・・よしっ、

「じゃあ、お姉ちゃんが一緒に探してあげる!!」

あたしの言葉に女の子は泣くのをやめて、あたしの顔を見る。

「ほんとぉ?」

「うん!ホントだよ♪」

あたしが笑顔で答えると、パァァアと顔を輝かせながら抱きついてくる。

「ありがと、お姉ちゃん!」

うわ〜、可愛い・・・。 あたしも同じように女の子に抱きついた。



「凛ちゃんっていうのか・・・可愛いね」

「えへへ♪お兄ちゃんはねー、シグレっていうの」

「シグレ君っていうんだ。変った名前だね」

「うん、かっこいいのー!!」

凛ちゃんの行動がいちいち可愛くて、あたしの笑顔は絶えない。

凛ちゃんて、幼児かな・・? 鈴菜と同じ髪型してる・・・、可愛いなぁ。

こんな妹が欲しかったなぁ〜・・・。 凛ちゃん見てるとホントにそう思う。

そんなことを思っていたとき、ケータイがなる。

あ、三鷹からだ・・・。

あたしはケータイを開き、通話ボタンを押す。

『澪か?今何処にいる?』

「今ちょっと探し物・・・?」

『探し物?・・・なんか落とした??』

「ううん、そうじゃなくて」

『まあいいけど、・・・迎えにいくから何処?』

「あ、いいよ。見つかったら三鷹の家によるからっ!!」

わざわざ迎えに来るなんて、大変じゃん!! あたしはあわてて断る。

『・・・・・わかった。待ってる』

「うん、ありがとね。じゃあ」

通話を切ると凛ちゃんがあたしの袖を引っ張る。

「お姉ちゃん、どうしたの??」

「なんでもないよ」

凛ちゃんの頭をなでてから再び視線を前に戻すと、必死に誰かの名前を叫んでる人がいた。

よく聞いてみると、「凛ーー!!」と言っている。

・・・———もしかして

「あ、 お兄ちゃんだ!!お兄ーちゃーん!!」

凛ちゃんもそれに気づいたみたいで、大声で叫ぶ。

向こうも気付いたらしく、あたしたちに駆け寄ってくる。

「凛っ・・・!!」

凛ちゃんはお兄ちゃんの所へ駆け寄って抱きつく。

「お兄ちゃんっ!!」

抱きついた瞬間、安心したのか泣き始める。

「ごめんな、もう心配すんなや」

シグレさんはしゃがみこんで凛ちゃんの背中を優しくさする。

しばらくしてから凛ちゃんがあたしのほうを見て、

「お姉ちゃんが一緒に探してくれたの!!」

といって、今度はあたしに抱きつく。

シグレさんは立ち上がるとあたしに頭を下げて、

「ほんま、ありがとうな!!」

とお礼を言ってきた。

そんな深々と・・・、しかもこんな道端でっ!

「ううん、いいよ!!」

あたしは焦って両手をぶんぶん左右に振る。

「初めて来たもんやから、迷ーてしもて・・」

そーだよねえ、 ココ東京並みに人多いもんね・・。・・・?えー・・・と・・・方言だよねコレ?

「えと、・・・関西の人?」

「うんまぁー、大阪から来てん」

「大阪!!よく○○県まで来たね!」

「ホントやわ・・、新幹線長かったわ」

肩を下げて腰が痛いと泣き叫ぶ彼に、思わず笑ってしまう。

「そや、自己紹介まだやね。押村時雨っていいます。○○高校の2学年に転校するつもりや」

・・・高校なんて聞いてないし・・;;

・・・つーか、その高校、あたしが通ってる高校じゃん!!!