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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ΨUnrealΨ⇒後編突入☆ ( No.186 )
- 日時: 2011/03/18 13:15
- 名前: 桜架 (ID: HijqWNdI)
Ⅸ【043】
うっすら瞳をあけてみると、白い天上が見える。
手を彷徨わせていると、きゅっと誰かに握られた。
一体・・・・誰なの??
ぼやけた視界で上手く認識できない。
・・・・三鷹なの??
だと、いいけどな・・・——
あたしはまた、意識を手放してしまった。
次に目覚めたときは自分の部屋。
隣を見てみると、三鷹がそこにいた。
「三鷹・・・・・」
「澪、・・・・よかった」
ほっと安心したような顔であたしを見つめる。
けど、その顔には少し、影がさしていた。
「・・・・・三鷹、なにかあったの?」
「え・・・・?」
少し驚いたように、顔を上げた三鷹。
「別になんも」
「嘘だ!絶対何かあったでしょ!隠し事はなしだよ〜」
「なんか隠してるのはお前だろ!!!!」
「———!!!!!??」
すこし冗談めかしに言った言葉に返ってきたのは、イラだった怒鳴り声。
ビクッと体が震えたのが分かった。
「・・・・悪い。いきなり怒鳴って」
「う、・・・ううん」
三鷹は前髪をクシャっとしてから、あたしを優しく抱きしめた。
その腕は細かく震えてて、あぁ、あたし・・・すごく心配させたんだと酷く実感した。
そして、言えない秘密があることに、更に罪悪感が心を蝕んだ。
いつになったら言えるんだろう・・・・・。
あたしの心は、悲しいほどどこも変ってはいなかった。
「ごめん・・・ごめん三鷹・・・・」
「なんでお前が謝るんだよ・・・・」
「ごめん・・・ごめん三鷹っ」
嘘をついてばっかりで・・・ごめん・・・・。
頬を伝う涙。
その涙をそっと三鷹がおし止め、まぶたに優しくキスを落とす。
額に・・・、鼻の先に・・・、そして唇に優しくキスをする。
この日はいつもよりも、たくさん唇を重ねあった。
そしてあたしの心の中に・・・・一つの覚悟が出来た。
———決断は迫っていた
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