コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: アタシは今日も恋をする。(参照してください) ( No.19 )
- 日時: 2010/08/16 01:02
- 名前: ハルカ (ID: Jp7wPE2D)
Ⅱ【009】
pm9:40
「ただいまー」
・・・ガクンッ————
玄関に入った途端、一気に体の力がぬける。
・・・ヤバ。はしゃぎすぎちゃったかな。
「澪ー、遅かったわね・・・澪っっ!!?」
ひざをついて、苦しそうになっているあたしを見たお母さんが、だんだん瞳を涙で埋めつくしていく。
ごめん、また泣かせちゃった。あと何回泣かせたらいいの・・・?
お母さんを泣かせない日なんて来るのかな??
あたしの意識はそこで途絶えた。
目覚めたときは病院のベットで横になっていた。
窓の方を見ると白く光っていて、朝だということがすぐにわかった。
「はぁ・・・」
起き上がった途端、ガラッと個室のドアが開かれた。
「先生・・・お母さんは?」
「今、廊下にいてもらっているよ」
言いながらドアを閉め、あたしに近寄る。
「そうですか・・・」
あたしは両手をシーツの上で握り締める。
「・・・澪ちゃん」
先生に名前を呼ばれて顔を上げる。先生の顔・・・真剣。・・・もしかして
「また、なんか症状が?」
あたしの言葉に苦しそうに頷く。
「これからはあまり体を動かさないこと。病魔が刻々と体を蝕んでいるため、
血液の流れが悪くなり酸素を体全体に流せなくなっている」
あたしはまだ先生が何を言ってるのか分からなかった。
「つまり・・・?」
「つまり、体を激しく動かすことで呼吸が乱れ意識が飛んでしまう。
それが何度も起きたら澪ちゃんは寿命が更に短くなってしまうんだ」
あたしは真っ直ぐに見つめていた目を大きく見開かせる。
あたしが余命を告げられたのは中学二年生。あたしが生きられるのは4年、長くて5年・・・。
今は高2。・・・生きられるのはあと1年。
そして体を動かすと更に寿命が縮む・・・。
「そうですか・・・」
あたしは力なく返事をして、うつむく。
「体育祭も近いだろう。気をつけて」
部屋を出る際に先生が言った言葉にあたしは相槌を打てなかった。