コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: アタシは今日も恋をする。(参照してください) ( No.26 )
- 日時: 2010/08/16 01:14
- 名前: ハルカ (ID: Jp7wPE2D)
Ⅲ【012】
「「イッケぇええええ!!2組ーーー!!!」」
「おい、田崎!!ぬかせぇええ!!」
「「わぁあああーー!!!!」」
〔次の競技に出場する方は前に集まってください〕
「はい、この騒ぎようは、体育祭だからです!!ちなみにあたしたちのクラスは3組でございます!!」
「鈴菜・・・誰に向かって喋ってんの??」
「ん?読者様だよっ!!」
あー、そうですか。次元飛びすぎだろ。どっかおかしくなっちゃったかな・・・。
「塚、澪って体育祭の練習一回もしてなくない?大丈夫なの?」
「あー、うん!!」
体育祭までの一ヶ月近く、競技練習があったけど、先生に止められて自主的に出ていない。
そして・・・———
「あ、進藤ー!!こっちこっち!」
——ビクッ 体が小さく跳ねる。三鷹はあたしたちに気付き、近寄ってきた。
「おう」
あたしたちのそばまで来ると、一瞬、あたしをちらりと横目で見る。
あたしはその瞳から逃れるように横を見る。
鈴菜はそれに気付き「どうしたの?」と気に掛けてくれたが、あたしは「別に・・!!」といって笑った。
だけどいまだに三鷹はあたしを見てくる。三鷹の視線が痛い。
「あ、あたしジュースか・・買って来るね!!」
「澪?!」
耐え切れなくなり、その場を駆け足で去る。
そして徐々に走るスピードを上げる。
あの電話以来一ヶ月、三鷹とは口を聞いていない。
ていうより、三鷹はいつも何か言いたそうにあたしを見てくるから
どうしていいかわからなくて、いつもあたしが逃げちゃうんだ。
自販機についた瞬間、眩暈が襲ってきた。思わず自販機に持たれてうずくまる。
【寿命が更に短くなってしまうんだ】
先生の言葉が脳裏によぎる。
嫌だ・・・死にたくないよ・・・・。もっと・・、もっと生きていたいよ・・・——
「ねぇ、澪となんかあったの?」
「いや・・・」
はあぁ、と木下が小さくため息を吐く。そしてバシッっと俺の背中を叩いてきた。
「追いかけなよ・・・心配なんでしょ?」
「・・・・おう」
木下に背を押されて俺は澪を追いかけた。
「今度なんかおごってよー!!」
後ろから聞こえる木下の声に気付いていたが、今はそんなことより頭の中は澪でいっぱいだった。
この一ヶ月。ずっとどうしていいかわからなかった。
会うきっかけはたくさんあったけど、お互い初対面みたいな感じで、何を喋っていいか分からなかった。
俺がお前を見ると、いっつも逸らしてきて、だけど俺は意地でもお前を見つめてた。
何を考えてるのか知りたくて・・・・・
でも結局分からなくて、 毎日悩んでた。
そして・・・なぜかお前を手放したら・・・お前は一人になるんじゃないかって不安になった。
だって・・今お前は何かを抱えてんだろ?
なんかの理由で俺には話せなくて・・・。
本当にごめんな。あれはただの八つ当たりだったんだ。
【頼りにならない】こんなことで八つ当たりしちまう俺はバカだと思う。
自分のコトしか考えてなかったと思う。
だから・・・俺は・・・————
今お前を、全力で抱きしめたい…———
ひとりじゃないって、伝えてあげたい…