コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Because you were「貴方がいたから」 ( No.28 )
- 日時: 2010/08/16 01:17
- 名前: ハルカ (ID: Jp7wPE2D)
Ⅲ【013】
ハァ・・ハァ・・・ 乱れる呼吸を必死に整える。
下を向いちゃダメだ・・・前、前を見ろ・・・
ゆっくり前を見ると誰かがこっちに向かっている姿が見えた。
その姿にあたしは目を見開く。・・・・三鷹?
驚いて支えていた体がグラッと傾く。
「澪っ・・・!!」
とっさにあたしの体を受け止めた三鷹は、そのままあたしを強く抱きしめた。
・・・三鷹?只でさえ発作が起きてるのに、そんなことされたら更に・・・
だけど、なによりも抱きしめられてとてもホッとした。
「澪・・・ごめんな」
かすかに聞こえた三鷹の声。その声はとても弱々しかった。
「あん時、俺・・自分のコトしか考えてなかった」
三鷹が何を言ってるのか最初は理解できなかった。
だけど、なぜか聞かないといけないと思い必死に耳を傾ける。
「お前につらい思いさせてごめんな・・・。お前はちっとも悪くないんだ」
言い終わったあと更に抱きしめる力を強める。
「ただの八つ当たりだ…、 ごめんな・・・」
力強い腕なのにカタカタと細かく震えている。
ありがとう三鷹・・・。でも、違うんだよ?あたしのせいでもあるの。
【あの話】をして、 きっと三鷹も離れていってしまうんじゃないかと・・怖かったの。
三鷹にはずっとそばにいて欲しかったから・・・離れていって欲しくなかったの・・。
ごめんね・・・ごめんね・・・三鷹。あたしのせいでいっぱい・・いっぱい悩んでくれて・・・。
優しい優しい三鷹。たまにしか見せてくれない笑顔。その笑顔をあたしのせいで壊したくない。
だからあたし、覚悟をきめるよ・・・———
この話をしたら貴方は離れていくかもしれない・・・
だけど、貴方の笑顔がなくならないのなら・・・————
あたしは三鷹の胸板を押し、顔を上げる。
「・・・澪?」
「・・・三鷹。話したいことがあるんだ」
いつの間にか収まった発作。たぶん貴方がいたから早く収まったんだね・・・きっと———