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Re: Because you were「貴方がいたから」 ( No.36 )
日時: 2010/08/16 01:52
名前: ハルカ (ID: Jp7wPE2D)

Ⅳ【016】





また同じ夢を見た。

暗闇の中、あたしを救ってくれたのは・・・誰?



目を覚ますと 隣には三鷹がいた。・・・・この間と一緒だ。

夢から覚めたとき、隣に三鷹がいて・・・あたしのこと心配してたよね?

だけど今日は寝ちゃってる。

静かに寝息を立てて寝ている三鷹の髪に そっと触れる。

「・・・ん、・・澪」

あたしを呼ぶ寝言に、思わず頬が緩む。

あたしの夢でも見てくれてるのかな?だとしたらちょっと嬉しいかも。

あたしは三鷹の頭を優しく撫でながら、小さく口を開いた。

「ありがとう・・・。それからお疲れ様。かっこよかったよ」

気恥ずかしさを覚えながらも、あたしは最後の言葉を紡いだ。

「・・・・大好きだよ」

穏やかに眠っている三鷹に、短くも あたしの気持ちを降り積もらせる。

その時、不意に右手が握られた。

その手を見てあたしは目を見開く。・・・本当にこの間と一緒だね。またあたしの手を握っててさ・・。

あたしは握られた手を握り返す。だけど、更にまた強く握り返された。

・・・・ん?なんか変じゃないか?

どんどん握られる力が強くなる。そして・・・——

「それ、・・・ホント?」

寝ているはずの三鷹から声がした。

まさか・・・・起きて、る??

三鷹が伏せていた顔を軽く上げて、あたしの表情をうかがう。

あたしの顔は真っ赤だ。たぶん・・・耳まで。

握られていた手がベットの上から、三鷹の頬に移動する。三鷹の体温が直に感じられて ドキドキする。

心臓が壊れそうだ。

三鷹はそのままあたしを見つめながら、あたしの手を口元によせて口付けを落とす。

「俺も好きだよ・・・」

三鷹の行動にびっくりしていたがそんなことよりも三鷹が言った言葉が信じられなかった。

三鷹が・・・あたしを・・好き?

視界が滲む。そしていつしか頬に涙が伝った。

「三鷹が・・・あたしを・・?」

三鷹の握られていない手の方があたしの左頬に添えられる。

さっきまで恥ずかしかったのに、今は嬉しくてどうにかなりそうだ。

「あぁ、ずっとずっと・・・一緒にいた時から好きだった」

言いながら三鷹はあたしに口付けを落とす。あたしは瞳を閉じた。



暗闇の中、あたしの手を引いたのは・・・———

あたしを光の中へ連れて行ってくれたのは・・・


————三鷹だった


唇を離すと、少し照れながらも晴れ晴れとした ・・・優しい笑顔があたしを魅了した。