コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Because you were「貴方がいたから」 ( No.38 )
- 日時: 2010/07/30 21:50
- 名前: ハルカ (ID: apTS.Dj.)
Ⅳ【017】
「いや、まじであれはびっくりだったー」
下校中、さっきのコトを思い出してか三鷹がニヤリとひとり笑っていた。
「・・・気持ち悪い」
「彼氏に言うセリフかよ」
キッと三鷹を睨むが全然効果がない。むしろ嬉しそうだ。
両思いになったはいいけどこれはこれでムカツク・・・!!
「つーか、お前が話したいことってあれだったのか?」
「・・・っ、うん、まあ」
本当に話したかったこと。確かに自分の気持ちも言うつもりだった。
そして、病気のことも・・・。あと、一年しか生きられないことも全部。
だけど、気持ちが通じ合った今そんな事はなせない・・・
話すタイミング逃しちゃったな・・・
「じゃあ、またあしたね」
「おう、おやすみ」
——バタンッ 「ただいまー」
あたしが帰ってきた瞬間、バタバタとお母さんが走ってきた。
焦りを隠せない・・・どこか安心した顔で・・
「お母さん?・・・どうしっ——」
あたしが言う前に頬に痛みが走る。そしてどんどん熱を帯びていく。
あたしは理解できなくてただ呆然と立ち尽くしていた。
「担任の先生から電話があったわ・・・」
その一言で理解した。・・・・体育祭の競技に出たことか・・
「澪っ!!!激しい運動は先生に止められていたでしょう・・?!なんで言うことを・・・———」
「いいじゃん!!あたしはあと1年しか生きられないんだ!!
だから今のうちに好きなことを・・・——」
耐え切れなくなってあたしも反論する。しかしまたもぶたれそうになり、その腕を掴む。
あたしだって、受け止めることぐらいできる。
あたしはお母さんを静かに見つめる。
お母さんは震えながらも必死に言葉をつむいで行く。
「好きだから寿命も平気に削れる・・・?澪・・・本気で言ってるの??」
その言葉にあたしは静かに頷く。
「死んでからじゃ遅いでしょ?あとからあれやればよかった・・・って後悔しても」
「だからって・・——!!」
「これは自分で決めたことなの。今更変えるつもりないよ」
お母さんの腕を放し、あたしはお母さんに背を向けた。
「ゴメン・・。今日は三鷹ん家に泊まるね」
お母さんを一人残してあたしは家を出た。