コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Because you were「貴方がいたから」 ( No.77 )
- 日時: 2010/08/06 21:22
- 名前: ハルカ (ID: apTS.Dj.)
んじゃ、続きー【022】
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——ガチャッ・・・ ・・・開いてる。
あたしは一歩足を踏み入れる。
静かだ。・・・家には誰もいない・・と思えるようなほどだ。
だけど、誰かいるってコトは分かる。靴があるから・・・。
あたしはリビングへ向かう。そこにはいすに座って頭を抱え込むお母さんの姿があった。
「・・・お母さん?」
あたしは鞄の取っ手を握り締める。
お母さんはゆっくりと顔を上げた。そしてあたしの姿を確認すると目を瞬く間に見開いた。
「・・・出て行ったんじゃないの?」
お母さんはしばらくあたしを見たあと、顔を背けた。
「お母さんと話がしたいの」
「・・・話?」
あたしは頷く。
「・・・、仲直りしたいんだ」
あたしの言葉に再び視線をあたしに向ける。
「・・・お母さんがあたしのことを心配してくれてるのは、すごくわかるし・・嬉しいよ」
お母さんは静かにあたしの言葉に耳を傾けていた。
「走るって決めたのもあたしだし、自滅しに行ったってことも自分で・・・わかってる。
だけど、あたしは これからも・・・まだ病気に苦しんでないときみたいに
気を使われずに、 普通に生活していきたいの・・・!
・・・だから、その・・・」
さっきまで言いたいことが沢山あったのに、今になって全部忘れてしまう。
・・・どうしよう。お母さんを納得させて、仲直りしようと決めてたのにっ・・・
あたふたするあたしを見て、お母さんは微笑する。
「お父さんに、・・・そっくりだね。本当に」
「・・・え?」
お父さんにそっくり?・・・そんな会話してたっけ・・?
あたしは首を傾げた。
「お父さんも、病気にかかったとき・・・ 今の澪みたいに説得されたの」
——お父さんも? あたしは目を見開いた。
お母さんは「思い出しちゃったじゃない」といって笑った。
「・・・お父さんは、体弱いくせにね」
そこまでいって、お母さんは「だけど」と付け加えてあたしを真っ直ぐに見つめた。
「・・・——澪なら大丈夫よね?」
どこかを遠く見つめるように微笑む・・・。あたしは耐え切れなくなってお母さんに抱きついた。
「仲直り!」
お母さんはそういってあたしを強く抱きしめた。
絶対、長く生きて見せるよ・・・。お父さんの分まで・・・———