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Re: アタシは今日も恋をする。(参照してください) ( No.8 )
日時: 2010/08/16 01:19
名前: ハルカ (ID: Jp7wPE2D)

Ⅰ【004】

澪〜過去編〜






————ピッ・・・ピッ

ん・・・?ココは??ぼやけ眼でやっとのことで白い天井が視界にはっきり映る。

・・・なに?手首の方に・・・なんかひも見たいのが・・・

「先生・・・澪は??」

この声・・・お母さん?・・・んで、泣いてるの??

隣には嗚咽交じりに言葉を吐き捨てる母と白衣を着た・・・

—————先生?  あぁ・・・ココは病院か。

諦めに近い思いで一気に体の力が抜ける。

このパターン・・・よく映画であるよね?・・・たぶんあたし、【死ぬ】んじゃないの・・・—————?

そして、あたしの予想通り先生は重々しく口を開いた。

「旦那さんの時と同じ病状です。・・・娘さんは旦那さんの方の血を受け継いでいます。・・・・遺伝病です」

「そんな!?・・・澪も・・・澪も死んじゃうんですか!!?」

「・・・・——4年。長くて5年・・ぐらいです」

「・・・・4年・・・っ!!?」

———ガタタッ!

「お母さん!?」

「・・澪ッ!??」

お母さんがショックを受けすぎたせいで椅子から落ち、思わずベットから飛び降りてしまった。

お母さんはというと目をこれでもかと言うほどに大きく見開き真っ赤になっていた。

そして・・・聞いていたの?とでもいうように口を小さく震わしていた。

そんなお母さんにあたしは力なく微笑む。分かってたよ・・・。だから・・・・・

「大丈夫だよ・・・・。お父さんより長く生きるから」

「・・・・澪・・・・っ・・!!?」

わっとお母さんは更に泣き出す。二回目だ。この姿を見たのは。

あたしのお父さんはおじいちゃんの元からある病気が遺伝して悪化してしまった。

余命はあたしと同じ4年・・・————

だけど、元からお父さんは体が弱く余命よりも2年早くこの世を去ってしまった・・・。



あたしは何も言わずにお母さんの体をしっかり支える。

————4年か。今のうちに出来ることしなきゃ。

長く生きて、残りの時間を楽しむ・・・——————

そう、二つのコトを誓った、中学二年(冬)・・。







それからあたしは、告白してくる男子とは全部付き合って、行きたい高校にいけるように必死に勉強した。

別に・・好きな人がいないわけじゃない。

だけど、付き合った人みんなにあの・・・病気の話をすると【無理】とかいって離れていく。

それが怖い・・・。だから絶対に言わない・・・。

【あの話】は三鷹には絶対に・・・・—————


そして、瀬田川 澪は今日も自分の気持ちを隠す・・・—————