コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Because you were「貴方がいたから」 ( No.81 )
- 日時: 2010/08/06 21:22
- 名前: ハルカ (ID: apTS.Dj.)
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廊下を歩いていると、見覚えのある人に話しかけられた。
「よ!瀬田川」
「佐山・・・」
佐山とは一番最近付き合ってた人(一話に登場)
自分からふったくせにあまり馴れ馴れしくしないで欲しい・・・。
「なんか、用?」
「うん、ちょっときて」
言うなりいきなりあたしの手をとり、人気の少ない渡り廊下の方へ連れて行かれた。
わざわざ場所を移してどうするきなの?あたしは警戒していた。
「で、何?」
「冷たいねー、一応元カレだけど?」
あたしはキッと佐山を睨む。
「ま、いいけど・・・。その調子じゃいまだに彼氏とかできないでしょ?」
なにいってるのこの人。あたしには一応『三鷹』っていう大切な彼氏がもういるんだから!
ずっと、片思いしてようやく両思いになったんだから!
だけどこんなやつに教える義理はない。
「関係ないでしょ?できてもできなくても教える義理はないんだから」
言い放ったあと、顎をつかまれ顔を近づけられる。
あたしは動じることなく彼を睨み続けていた。
「・・・より、戻さない?」
「———っは?」
あたしは彼が言った言葉が理解できなかった。
「・・・なにを言ってるの?」
「そのままだよ・・・、 俺はよりを戻したい」
更に顔を近づけ、キスをしようとしてくる。あたしはそれをするりとよけて佐山を押しのける。
「・・・嫌、 あたしには三鷹がいる——」
「知ってる」
・・・え? だったら、・・なんで
「知ってるなら、なんで・・・」
佐山は一歩、 また一歩と近づいてくる。あたしも無意識に一歩、 また一歩と同じように後ずさる。
しかし、とうとう壁に追い詰められた。
「どうせ、まだ【あの話】・・・してないんだろ?」
「————!」
あたしは少なからず動揺してしまう。
「俺は知ってなお、お前ともう一回付き合いたいっていってるんだ」
「・・・・でも、 あたしは」
今度はグイッと引き寄せられ、抱きしめられる。
「アイツ・・、進藤だって最初の俺みたいなことを言うに決まってる・・・」
耳元で言われる言葉はどれもこれもあたしにとって重い言葉ばかりだった。
耳も塞ぎたくなるほどだった。
「だけど、俺は・・・」
あたしは再び佐山を押しのける。
「・・・やめて」
「・・・瀬田川」
あたしは一歩後ずさり距離をとる。
「・・・もし、そうだとしても、あたしは三鷹と一緒にいるって決めた」
俯きながら、掌を拳にかえてプルプル震えながら あたしは最後の言葉を紡いだ。
「・・・もし言われたとしても、あたしは諦めないって決めた・・・っ!」
言ったすぐにあたしはその場から駆け出した。
———バタバタバタ・・・ッ
だんだん足音が遠のいていく。
「・・・フラれたか」
そうだ、あたしは決めたんだ。自分の好きなように生きるって。
だから今度は・・・この気持ちを大切にしていきたい・・
これからも平凡に生活していって、いつか・・・ 自信がついたら
【あの話】を三鷹にする。・・・そう決めたんだ。
佐山と話してるとき、鈴菜の顔が浮かんだ。
・・・もし、離れたとしても、あたしはあきらめない。
———一人ではない限り もし、一人になっても、 もう一度一歩を踏み出せばいい
———あたしはあきらめずに生きていきたい・・っ