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Re: おてんばアリスの策略! ( No.16 )
日時: 2010/06/20 18:43
名前: はるた ◆On3a/2Di9o (ID: V32VFdCN)

 彼女の顔の造型はとてつもなく綺麗で、そしていつも寂しそうだった。
彼女とは同じクラスで、同じ委員会をしていた。学級委員だ。淡々と仕事をこなす、美しい彼女に憧れている男子も多いと聞く。
 彼女は勉強も出来たし、運動も物凄く出来た。完璧だった。だけど、何かが足りなかった。
当然何でも出来る学級委員の彼女の周りには、人が集まってくる。昔はそれに対して笑顔で対応していたが、最近彼女はそれを全て震えた声で「迷惑です」の一言で跳ね除けた。
彼女は人との関わりを持つことを極度に避けた。当然女子からは除け者にされ、男子からも変わった奴というレッテルをはられる。

 違うのだ、彼女は変わった奴なんかじゃないのだ。
人には必ず欠点がある。勉強が出来ない、運動が苦手、好き嫌いが多い。
彼女は友達を作ることが好きじゃなくなってしまったのだ。


 だけど一つだけ問いたい、彼女に。
何で、俺からの手紙に一度も返事をしてくれないんだ?
俺のことが嫌いになったのか? いや違うよな、だって彼女は俺が手紙を彼女の家のポストに投函してから、人との関わりを拒むようになったのだから。俺しか見えなくなったんだろ、そうだろ?
 一度だけ彼女が俺に向かって、
「あなたが“他の奴と話したら殺す”なんて手紙に書くから、私はクラスで孤立してしまったんです。私のことがそんなに嫌いですか。彼氏でもないのに何気取りですか」
 そう涙を目に溜めながら言ったことがある。
彼氏でもない? 何で?
だって彼女は俺のことを好きなはずなのだ、きっとそうなのだ間違いはないはず。
だって俺のことが好きだから、同じ委員会に入ったんだろう? 運命が俺たちを同じクラスにして、同じ学校に入学させて俺たちを同じ星に生まれさせた。
こんな素晴らしいことがあるだろうか!

(僕の中に、君をしまう)