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- Re: 憂鬱メアリー | あなたとの距離 ( No.71 )
- 日時: 2010/06/28 20:01
- 名前: はるた ◆On3a/2Di9o (ID: V32VFdCN)
棚が倒れて、立て掛けておいた雑誌や参考書が床に散らばっている。散らかった部屋でふうと溜息を吐く。昨日力任せに叩かれた左頬が腫れて痛い。
彼女との喧嘩の原因なんてよく覚えてない。
普段はクールで、淡々と言葉で責めてくるはずの彼女が、ヒステリーを起こしたかのように錯乱した。何でかは分からない。汚い言葉を吐き、棚を倒す。そして俺の左頬を殴って『馬鹿! 消えちゃえ!』と涙を零しながら叫んで部屋を出て行った。
俺は彼女に何かしたか? どうしてこうなってしまった?
明日、彼女に会ったら何て謝ればいいんだろう。『何を言ったかは覚えていないけど、あんなこと言ってごめん』何て言ったら、きっと彼女は呆れて俺を殴ることもせず立ち去ってしまう。
窓の外をふと見上げる。嫌味っぽく、綺麗過ぎる青空が広がっている。その空に向かって親指を下に向けた。
*
ベッドの中で昨日のことを思い返す。私は昨日、彼と喧嘩をした。暴力というものが嫌いで、極力それを使わないように生きてきた私にとって、何年ぶりの暴力行為だったのだろう。左頬を打たれた彼は驚いたように目を見開き、そして諦めたような顔をした。
喧嘩の原因はよく覚えてないし、自分がどうして彼にあそこまでのことをしてしまったのかもよく分からない。あんなに怒っていたのに、彼をあんなに傷つけたのに何で何も覚えてないのだ。
ブランケットを頭まで被り、ふうと溜息をつく。一体彼にどんな顔して謝ったらいいのだろう。『何も覚えて無いんだけどあんなことしちゃった、ごめんね』なんてもう愛想をつかれてしまうこと間違いなしだ。
ふとブランケットから顔を出し、窓の外を見上げると私を馬鹿にしてるかのように青い空が広がっていた。むかついたので、舌を突き出し「あっかんべー」と声に出してみた。今ここに彼が居たなら、子供っぽいと笑ってくれるはずだったのに。
(相思相愛ラバーズ!)