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Re: 憂鬱メアリー | 怖いくらい君の名を呼ぶ ( No.94 )
日時: 2010/07/04 18:07
名前: はるた ◆On3a/2Di9o (ID: hNhLtowv)


 例えるなら彼女は向日葵だった。いつも笑顔で、誰からも好かれていて毒が無い。本人が意識しなくても目だって、皆の注目を引く。
大して私はシロツメクサとかオオイヌフグリとか、目立たないで雑草と間違われて引っこ抜かれるようなそんな存在だ。親友である彼女の陰に隠れてしまって、誰にも気付かれない。はぁ、と思わず溜息が漏れる日常だ。

 嫌いになれたらどれだけ楽なんだろう。
「あんたなんて嫌い! 近寄らないで!」
 そう言ったら彼女はどんな顔をするのだろう。到底いえないことは分かってるけどね、だって私は彼女のことが大好きだから。
とにかく彼女は優しい。あまりに出来すぎてる彼女に腹が立った私がいくら八つ当たりしても、優しく受け止めてくれる。そして私は自分自身が惨めになるのだ。分かってる、分かってるのよ。
それに気付かず彼女は私に「あなたは凄く優しくて良い人ね」なんて言ってくるのだ。どこが優しいのだろうか、簡単に言えばわたしは彼女に対して嫉妬している部分があるというのに。彼女はどこまでも向日葵みたいなのだ。

(向日葵とシロツメクサ)